【出雲国風土記】曽枳能夜神社(曾伎乃夜社・韓国伊太氐神社)|伎比佐加美高日子命を祀る神名火山麓の古社|出雲郡・出雲市斐川町

2021年5月23日日曜日

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【出雲国風土記】曽枳能夜神社(曾伎乃夜社・韓国伊太氐神社)|伎比佐加美高日子命を祀る神名火山麓の古社|出雲郡・出雲市斐川町

「出雲国風土記」に曾伎乃夜社の名で記される、神名火山の麓に鎮座する古社。
伎比佐加美高日子命を主祭神とし、延喜式内社・韓国伊太氐神社や支比佐社など風土記ゆかりの境内社も祀られる「曽枳能夜神社」。
出雲市斐川町神氷の静かな里で、出雲大神とのゆかりを感じることができます。


拝殿
曽枳能夜神社 拝殿

神名火山のふもとに佇む曽枳能夜神社の拝殿。

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御祭神

主 祭 神 伎比佐加美高日子命(きひさかみたかひこのみこと)
配 祀 神 伊弉冊命(いざなみのみこと)・速玉男命(はやたまおのみこと)・豫母都事解男命(よもつことさかおのみこと)

御由緒(歴史)

御由緒板
曽枳能夜神社 御由緒

境内の御由緒板には、風土記・延喜式内社としての歴史や境内社の由来が詳しく記されています。

 当社は「出雲国風土記」(733年)に「ソキノヤノヤシロ(曾伎乃夜社)」の名で官社として記され、本文には「神名火山(中略)曾枳能夜社に坐す伎比佐加美高日子命社、即ちこの山の嶺に在り故れ神名火山と云ふ」とあります。御祭神はこの地方(キヒサの里)一帯を守る首長神であり、出雲大神の祭主であったと伝えられます。

 平安時代に編纂された「延喜式神名帳」にも「曾枳能夜神社」として掲載される式内社で、古くから重んじられてきました。「古事記」垂仁天皇の条に「出雲国造の祖(第十四代)伎比佐都美」とあるのは当社の御祭神にあたり、同条に見える「石砢の曾の宮」を当社に比定する説もあります。明治五年二月には郷社に列せられました。

 合殿の熊野神社(御祭神:伊弉冊命・速玉男命・豫母都事解男命)は、広島甲田城主・宍戸隆家が熊野より勧請した社(天正十五年建立)と「雲陽誌」に見え、修験者(山伏)による「延命長寿・極楽往生」を祈る道場であったと伝わります。明治四十四年、元の鎮座地・神氷字宮谷の奥の宮から合祀され、現在は氏神様の御本殿に祀られています。

 境内社の韓国伊太氏神社(御祭神:素戔嗚命・五十猛命)は、延喜式内社であり出雲国内六社の一社。出雲国風土記にも「審伎乃夜社」として記載され、大陸から木種を持ち帰り全国に植えた植林・殖産興業の神として信仰されています。「からのそほりの命」という別名や祇園神社との習合からも、古代出雲と大陸との深い交流を偲ぶことができます。もとは神氷字宮谷に鎮座していましたが、明治四十四年に本社境内へ遷座されました。

 そのほか、土祖神を祀る若宮社(御本殿裏右側)、伎比佐加美長依彦命を祀る支比佐社(御本殿裏左側、「出雲風土記」の支比佐社に比定)、御祭神の父神・神魂伊能知奴志命を祀る磐境岩神(出雲大社遥拝所と伝わる)、猿田彦大神・磐長姫神・塩土老翁命を祀る釜神社(県の防災工事に伴い平成二十年に現社地へ遷座)など、多くの社がこの地の信仰の歴史を今に伝えています。

拝殿(別アングル)
曽枳能夜神社 拝殿

角度を変えて見た拝殿の様子。

拝殿の扁額
曽枳能夜神社 拝殿 扁額

拝殿に掲げられた社名の扁額。

本殿(右側)
曽枳能夜神社 本殿右

本殿右側からの一枚。

本殿(左側)
曽枳能夜神社 本殿左

本殿左側からの様子。

本殿(背面)
曽枳能夜神社 本殿裏

社殿背後に広がる静かな森。

出雲大神社
曽枳能夜神社 出雲大神社

境内に祀られる出雲大神社。

釜神社(かまがんさん)

御祭神 猿田彦大神・磐長姫神・塩土老翁命

曽枳能夜神社 釜神社

境内奥に鎮座する釜神社(かまがんさん)。

若宮社

御祭神 土祖神

曽枳能夜神社 若宮社

御本殿裏側に鎮座する若宮社。

御神木(?)

日御碕大神を祀る一角にそびえる樹木。

曽枳能夜神社 御神木
曽枳能夜神社 御神木

日御碕大神を祀る場所にある御神木と思われる大樹。

恵比寿大明神
曽枳能夜神社 恵比寿大明神

境内に祀られた恵比寿大明神。

岩神(神魂伊能知奴志命)

御祭神 神魂伊能知奴志命

曽枳能夜神社 岩神

出雲大社の遥拝所と伝わる神さびた磐境。

手水
曽枳能夜神社 手水 境内
曽枳能夜神社 手水 社頭

社頭と境内の二か所に設けられた手水。

鳥居

参道途中にある鳥居。

曽枳能夜神社 鳥居

石段の途中に立つ鳥居。

参道階段
曽枳能夜神社 参道階段

社殿へと続く石段の参道。

社頭
曽枳能夜神社 社頭

曽枳能夜神社の社頭。

社号標
曽枳能夜神社 社号標
出雲国風土記登場地標柱
曽枳能夜神社 出雲国風土記登場地標柱

風土記所載地であることを示す標柱。

曽枳能夜神社のスタンプ
曽枳能夜神社 スタンプ

曽枳能夜神社の記念スタンプ。

出雲郡 『曾伎乃夜社(韓国伊太氐奉神社)』

曽枳能夜神社 韓国伊太氐奉神社
曽枳能夜神社 韓国伊太氐神社 扁額

境内の韓国伊太氐奉神社と扁額。

出雲郡 『支比佐社(伎比佐神社)』

加藤義成氏の『校注出雲國風土記』では、出雲市斐川町阿宮に鎮座する阿吾神社に合祀の「支比佐神社」を支比佐社に比定していますが、『解説出雲国風土記』やほかの文献では、当社境内社の「伎比佐神社」を支比佐社とみなす説もあります。

曽枳能夜神社 伎比佐神社

境内社・伎比佐神社。支比佐社比定地とする説もあります。

アクセス・駐車場

地 図

島根県出雲市斐川町神氷823付近。山陰道斐川ICから車で数分。

お問い合わせ

所在地 島根県出雲市斐川町神氷823
TEL 0853-72-3255
HP --
Email --
駐車場
 山陰道斐川ICを降りて最初の交差点を左折し、出雲ロマン街道を約2km進むと右手にあります。
 神社前に広い駐車場があります。
御朱印 有無は不明。スタンプがあります。

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