VIVANTの舞台・奥出雲を巡る|櫻井家住宅・たたら製鉄・仁多米と乃木家の故郷
![]() |
| 夕暮れの奥出雲に広がる棚田。たたら製鉄による土地利用と仁多米を育む農村風景を伝える、筆者撮影の写真です。実写写真をもとに、AIで色調補正・鮮明度調整・文字入れなどの画像加工を行っています。 |
この記事は2026年9月5日時点の情報です。
営業時間・休館日・料金・道路状況は変更される場合があります。訪問前に各施設の公式情報をご確認ください。
日曜劇場『VIVANT』で、乃木憂助のルーツをたどる重要な舞台となった島根県奥出雲町。
劇中で「乃木家」として登場した建物は、たたら製鉄で栄えた鉄師の旧家「櫻井家住宅」です。
さらに、野崎守が乃木家へ向かう場面では大原新田付近の棚田が映り、乃木憂助の父・卓の回想場面には鬼の舌震が使われました。
奥出雲のロケ地は、ドラマの背景として選ばれただけではありません。櫻井家住宅、棚田、仁多米、森林、渓谷は、この土地で受け継がれてきたたたら製鉄の歴史でつながっています。
この記事では、奥出雲町にある『VIVANT』のロケ地3か所と、櫻井家住宅の見学情報、たたら製鉄と仁多米の関係、車で巡るモデルコースを紹介します。
先に結論
- 乃木家のロケ地は櫻井家住宅・可部屋集成館
- 棚田の走行場面は大原新田付近で撮影
- 乃木卓の回想場面は鬼の舌震で撮影
- 櫻井家は、たたら製鉄を営んだ鉄師の旧家
- 砂鉄採取跡地の農地再生が、現在の仁多米にもつながっている
- 公共交通だけでは回りにくいため車がおすすめ
目次
VIVANTの舞台となった奥出雲町のロケ地3か所
島根県の公式ロケ地MAPでは、奥出雲町内の撮影地として次の3か所が紹介されています。
| ロケ地 | 登場場面 | 所在地 | 見学 |
|---|---|---|---|
| 櫻井家住宅・可部屋集成館 | 乃木憂助の実家、若き日の卓と明美、高校生の憂助の回想 | 奥出雲町上阿井1655 | 有料公開 |
| 大原新田付近 | 野崎が乃木家へ向かうパトカー、棚田、田植えの場面 | 奥出雲町大馬木大原 | 生活・農業地域のため車窓見学を基本にする |
| 鬼の舌震 | 学生時代の乃木卓が川辺で勉強する回想 | 奥出雲町三成宇根 | 無料・遊歩道あり |
3か所を巡ると、乃木憂助の家族の記憶と、その背景に映る奥出雲の原風景をたどることができます。
乃木家のロケ地|櫻井家住宅・可部屋集成館
『VIVANT』で乃木家として登場したのが、奥出雲町上阿井にある櫻井家住宅です。
野崎が乃木憂助の伯父・寛道を訪ねる場面、高校生の憂助が実家を訪れる場面、若き日の卓と明美を描く回想などが撮影されました。
ドラマのために造られたセットではなく、現存する鉄師の住宅が使われています。そのため、門や石垣、母屋、庭園には、奥出雲でたたら製鉄を営んできた家の歴史が残っています。
櫻井家住宅はどのような建物?
櫻井家は、広島の可部から奥出雲へ移り、屋号を「可部屋」として製鉄業を営んだ家です。
現存する主屋は江戸時代に建てられ、国の重要文化財に指定されています。周囲の門や蔵などとともに、奥出雲を代表する鉄師の屋敷を構成しています。
庭園には、松江藩主で茶人として知られる松平不昧公が「岩浪」と名付けた滝があります。重厚な建物と、山や川を取り込んだ庭園の景観が、乃木家の歴史と格式を表す舞台になりました。
可部屋集成館で分かること
住宅に隣接する可部屋集成館では、櫻井家に伝来した古文書、美術品、たたら製鉄に関する資料が公開されています。
ロケ地だけを見て帰るのではなく、集成館の展示を見学すると、なぜこの屋敷が奥出雲に存在するのか、櫻井家がどのように鉄づくりと地域経営に関わってきたのかが理解しやすくなります。
| 名称 | 可部屋集成館・櫻井家住宅・庭園 |
|---|---|
| 住所 | 島根県仁多郡奥出雲町上阿井1655 |
| 営業時間 | 9:00~16:30(入場は16:00まで) |
| 休館日 | 月曜日(祝日の場合は翌日)・冬季休館 |
| 共通券 | 一般1,000円/高校・大学生650円/小・中学生450円 |
| 見学目安 | 集成館と庭園で約60分 |
| 駐車場 | あり |
| 電話 | 0854-56-0800 |
公開範囲を守って見学しましょう。
文化財の保護や居住区域との関係から、すべての場所へ自由に入れるとは限りません。現地の案内表示と係員の指示に従ってください。
乃木家の重厚な雰囲気を生んだ「たたら製鉄」
櫻井家住宅を理解する鍵となるのが、奥出雲のたたら製鉄です。
たたら製鉄は、砂鉄と木炭を原料として鉄を生産する日本古来の製鉄法です。豊富な砂鉄、燃料となる森林、水、鉄を運ぶ人々の営みが一体となって発展しました。
櫻井家は鉄をつくるだけでなく、山林や土地を管理し、多くの人々の仕事と生活を支えた「鉄師」の家でした。
『VIVANT』の乃木家は架空の家ですが、ロケ地として映る屋敷の風格は作り物ではありません。奥出雲の鉄づくりが積み重ねてきた歴史そのものが、乃木家の古い記憶や家の格式を支えています。
さらに詳しく知るなら奥出雲たたらと刀剣館
たたら製鉄の仕組みを詳しく知りたい場合は、横田地区にある「奥出雲たたらと刀剣館」も候補になります。
実物大のたたら炉断面模型や吹子の模型などが展示され、鉄づくりの工程を立体的に学べます。日程が合えば、日本刀鍛錬の実演が行われる場合もあります。
- 住所:奥出雲町横田1380-1
- 営業時間:9:30~16:30
- 休館日:火曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)・年末年始
- 通常入館料:高校生以上530円、小・中学生260円
- 見学目安:約60分
- 駐車場:あり
鍛錬実演は休止・変更される場合があるため、実演を目的に訪れる場合は事前に確認してください。
大原新田の棚田と仁多米|たたら製鉄が農地を生んだ
野崎が乃木家へ向かう場面では、大原新田付近の棚田沿いをパトカーが走ります。
奥出雲の棚田は美しい農村風景として映りますが、その成り立ちにはたたら製鉄が深く関係しています。
かつて砂鉄を採るために山を切り崩し、水の流れを利用して土砂と砂鉄を分ける「鉄穴流し」が行われました。砂鉄を採取した跡地は放置されず、水路や畦を整えて棚田などの農地へ再生されました。
製鉄のための森林利用、鉄穴流し跡地の農地化、牛を利用した農耕や運搬などが結びつき、奥出雲独自の資源循環型農業が形成されました。
現在、奥出雲を代表する特産品となっている仁多米も、豊かな水や昼夜の寒暖差だけでなく、こうした土地利用と農業の歴史の中で育まれています。
ドラマの棚田と仁多米は、たたら製鉄の歴史でつながります。
大原新田の景色を見るときは、田園風景の下に鉄づくりによる土地の再生があることにも注目してみてください。
仁多米を味わう
ロケ地巡りの昼食には、仁多米を使った定食やおにぎり、奥出雲そばがおすすめです。
飲食店の営業日や提供内容は季節によって変わるため、当日に利用する店を決めず、事前に奥出雲町公式観光ガイドで営業情報を確認しておくと安心です。
乃木卓の回想場面|鬼の舌震
鬼の舌震は、大馬木川の急流が長い年月をかけて花崗岩を削り、約2kmにわたるV字峡谷を形成した国の名勝・天然記念物です。
『VIVANT』では、乃木憂助の父・卓が学生時代に川辺で勉強する回想場面などが撮影されました。
ただし、川辺の撮影は特別な許可を得て行われています。一般の見学者は、整備された遊歩道や吊橋から景観を楽しみましょう。
| 所在地 | 島根県仁多郡奥出雲町三成 |
|---|---|
| 料金 | 無料 |
| 休業日 | なし。ただし積雪期は入場を控える |
| 散策目安 | 駐車場間約2km。ゆっくり歩いて片道約1時間 |
| 駐車場 | 宇根駐車場・下高尾駐車場 |
『出雲国風土記』につながる名前の由来
鬼の舌震は、『出雲国風土記』に記された玉日女命とワニの伝承に由来するといわれます。
玉日女命を恋い慕ったワニの「慕う」が転じて「鬼の舌震」になったと伝えられています。
『VIVANT』のロケ地巡りでありながら、古代出雲の神話にも触れられる場所です。
VIVANT奥出雲ロケ地を巡る1日モデルコース
奥出雲町内は鉄道やバスの本数が限られ、ロケ地同士も離れています。3か所を一日で巡る場合は車が便利です。
ロケ地と奥出雲の歴史を巡るコース
-
9:30 鬼の舌震
遊歩道と吊橋から渓谷を見学します。短時間なら吊橋周辺、しっかり歩く場合は1時間以上を見込みます。 -
11:30 三成周辺で昼食
仁多米を使った定食や奥出雲そばを味わいます。 -
13:00 大原新田付近
棚田を車窓から眺めます。農地や民家へ入らず、通行の妨げにならないようにします。 -
14:00 櫻井家住宅・可部屋集成館
乃木家として登場した建物、庭園、たたら製鉄の資料を約60分かけて見学します。 -
15:30 周辺散策または帰路へ
開館時間に余裕がある場合は、展示や庭園をゆっくり見学します。
たたら製鉄をさらに詳しく学びたい場合は、鬼の舌震または大原新田の滞在時間を調整し、「奥出雲たたらと刀剣館」を加える方法もあります。
月曜日は櫻井家住宅、火曜日は刀剣館の休館日に注意。
祝日、展示替え、臨時休館によって変更される場合があるため、出発前に公式サイトをご確認ください。
アクセス・駐車場・見学時の服装
車でのアクセス
櫻井家住宅は、JR木次線出雲三成駅から車で約20分、松江自動車道高野ICからも車で約20分です。
鬼の舌震はJR出雲三成駅から車で約10分。宇根駐車場と下高尾駐車場が利用できます。
山間部では道路が狭く、カーブが続く区間があります。明るいうちに移動できるよう、余裕のある計画を立てましょう。
公共交通機関
櫻井家住宅へは、JR出雲三成駅から奥出雲交通バスを利用できる場合があります。ただし、本数や運行日は限られます。
鬼の舌震や大原新田も一緒に回る場合は、レンタカーまたはタクシーの利用が現実的です。
服装と持ち物
- 鬼の舌震を歩く場合は滑りにくい運動靴
- 山間部の気温差に対応できる上着
- 急な雨に備えた雨具
- 飲み物
- スマートフォンの予備バッテリー
秋は紅葉が美しい一方、日没が早くなります。鬼の舌震の散策は、時間に余裕を持って始めてください。
VIVANT聖地巡礼で守りたい注意点
- 櫻井家住宅では公開範囲と撮影ルールを守る
- 建物、展示品、庭園の植物に触れない
- 大原新田では農地、私有地、民家へ立ち入らない
- 道路上への長時間駐車や、通行を妨げる撮影をしない
- 鬼の舌震では遊歩道を外れて川辺へ降りない
- ドローン撮影は管理者や土地所有者の許可なく行わない
- ドラマの場面を再現するために危険な場所へ入らない
ロケ地は撮影セットではなく、文化財、農地、生活道路、自然保護地域です。地域の暮らしと文化を尊重して巡りましょう。
VIVANT奥出雲ロケ地のよくある質問
Q.乃木家の建物は実在しますか?
A.はい。劇中の乃木家として使われたのは、奥出雲町の櫻井家住宅です。ただし、乃木家はドラマ上の架空の家であり、櫻井家住宅とは別です。
Q.櫻井家住宅の内部を見学できますか?
A.可部屋集成館と庭園が有料で公開されています。住宅を含む公開範囲は、現地の案内に従ってください。
Q.ロケ地は全部で何か所ありますか?
A.島根県公式ロケ地MAPでは、奥出雲町内に櫻井家住宅・可部屋集成館、大原新田付近、鬼の舌震の3か所が掲載されています。
Q.鬼の舌震の川辺まで行けますか?
A.撮影は特別な許可を得て行われました。一般の見学者は、整備された遊歩道や吊橋から見学してください。
Q.3か所を公共交通機関だけで回れますか?
A.施設単独ならバスやタクシーを利用できる場合がありますが、3か所を一日で巡るなら車がおすすめです。
Q.仁多米とたたら製鉄にはどのような関係がありますか?
A.砂鉄採取後の土地を棚田などの農地へ再生し、森林、牛、水田を循環させる農業が形成されました。仁多米も、こうした奥出雲の土地利用と農業文化の中で育まれています。
まとめ|乃木家の故郷から奥出雲の本当の歴史へ
奥出雲町の『VIVANT』ロケ地は、乃木家となった櫻井家住宅、大原新田付近の棚田、乃木卓の回想が撮影された鬼の舌震の3か所です。
櫻井家住宅を訪れると、劇中の場面だけでなく、その背景にある鉄師の歴史が見えてきます。そして、たたら製鉄によって形づくられた土地は棚田へ再生され、現在の仁多米を育む農業へ受け継がれました。
ドラマの舞台を探す旅から、鉄、森林、水田、神話が結びつく奥出雲の歴史へ。
乃木憂助のルーツをたどりながら、作品を支えた本物の風景を歩いてみてください。
公式情報・参考リンク
あわせて読みたい
※記事内容には正確を期していますが、掲載情報に誤りや変更点がありましたら、お手数ですが 問い合わせフォーム からお知らせください。内容を確認のうえ、必要に応じて訂正いたします。


0 件のコメント:
コメントを投稿