【出雲国風土記】伊奈西波岐神社（大穴持伊那西波伎神社）｜稲背脛命と因幡の白兎ゆかりの海辺の古社｜出雲郡・出雲市大社町
「出雲国風土記」に名を刻む、稲背脛命ゆかりの海辺の古社。
出雲市大社町に鎮座する伊奈西波岐神社は出雲大社の境外摂社の一つで、「鷺社（さぎのやしろ）」とも呼ばれます。
出雲国風土記には企豆伎社の「同社」の一社として記載され、御祭神は稲背脛命、合祀神として八千矛神・稲羽白兔神・稲羽八上比売神が祀られています。
白砂の境内に建つ伊奈西波岐神社の拝殿。
御祭神
| 主 祭 神 | 稲背脛命 |
|---|---|
| 合 祀 神 | 八千矛神 稲羽白兔神 稲羽八上比売神 |
御由緒（歴史）
出雲大社の境外摂社としての由緒や、稲背脛命と因幡の白兎の伝承が記されています。
伊奈西波岐神社は、出雲大社の境外摂社の一つで、所在地は島根県出雲市大社町鷺浦一〇二番地にあります。
出雲国風土記に見える「企豆伎社」の一つにあたるとされ、『延喜式』には「大穴持伊那西波伎神社」として記載される古社です。
御祭神・稲背脛命は、またの御名を天之夷鳥命・天鳥船命といい、出雲国造の祖神・天穂日命の御子神とされます。
天照大神の勅を奉じて建御雷神らとともに稲佐の浜に降り、国譲りの神勅を大国主神に伝えた際には、事代主神を呼び返して諸々を問いただし、武力によらず平和裏に国譲りが成ったのは稲背脛命らの功績と伝えられています。
のちには父神・天穂日命の後を受け、大国主神の祭祀を奉仕したとされます。
合祀神の八千矛神は出雲大社の祭神・大国主命の別名で、武勇に優れた神として崇敬されます。
稲羽白兔神は、肌が剥がれて苦しんでいた白兎を助けた神として知られ、稲羽八上比売神は大国主神が因幡の国で契りを結んだ姫神です。
かつて素兎の火傷平癒にちなみ、疱瘡平癒の神としても大きな信仰を集めました。
社の別名「鷺宮」「鷺大明神」は、出雲国風土記に見える「鷺浜」に鎮座していたことに由来するといわれます。
境内一面の白砂は「鷺の身の毛も白妙に」と詠まれた歌を想わせ、平癒した白肌を象徴するような美しさがあります。
地域の祭礼として、一月二日のシャギリ舞、七月末の柏島権現祭などが行われ、鷺浦は「島根半島四十二浦巡り」の再生の拠点としても期待されています。
現地写真ギャラリー
瑞垣に囲まれる本殿。
本殿周りの静かな空気感。
本殿前に据えられた手水鉢。
境内の荒神社。
祭礼の際に神楽が奉納される神楽殿。
祭礼の神輿を収める神輿舎。
白砂が広がる明るい境内。
参道を守る阿形・吽形の狛犬。
境内入口の随神門。
随神門前に並ぶ石灯篭。
港町の風景とともに立つ鳥居。
参拝前に身を清める手水舎。
伊奈西波岐神社の社号標。
社頭から望む境内入口。
産土大神を祀る小祠。
境内に立つ石碑。
因幡の白兎を想わせるウサギ像。
四十二浦巡りのスタンプ台紙。
伊奈西波岐神社（鷺浦）は、出雲国風土記に見える「企豆伎社」の一つに当たり、延喜式の「大穴持伊那西波伎神社」に比定される古社です。
かつて素兎の火傷平癒から疱瘡神としても信仰を集めたと伝わり、白砂の境内は平癒した白肌を象徴するようだともいわれます。
鷺浦は「島根半島四十二浦巡り」の再生の拠点として、今も多くの参拝者を迎えています。
アクセス・駐車場
島根県出雲市大社町鷺浦102。日御碕方面から県道23号線を北に進み、鷺浦港の手前です。
お問い合わせ
| 所在地 | 島根県出雲市大社町鷺浦102 |
|---|---|
| TEL | 0853-53-0204 |
| HP | －－ |
| －－ | |
| 駐車場 |
日御碕方面から県道23号線を北に進み、鷺浦の港の手前に駐車スペースがあります。 港の200ｍ手前に6～7台ほど停められる場所（神社所有かは不明）がありますが、筆者は鷺浦会館の駐車場に停めて参拝しました。 神社横にもトイレと駐車スペースがありますが、トイレ利用者専用のようです。 |
| 御朱印 | 有無は不明 |
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