【出雲国風土記】生馬神社(生馬社)|生馬郷の地名由来に登場する神を祀る古社|嶋根郡・松江市東生馬町

2026年9月24日木曜日

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【出雲国風土記】生馬神社(生馬社)|生馬郷の地名由来に登場する神を祀る古社|嶋根郡・松江市東生馬町

松江市東生馬町の山際に鎮座する生馬神社(いくまじんじゃ)。一ノ鳥居から石段を上がり、随神門を抜けると、落ち着いた境内に拝殿が建っています。

『出雲国風土記』嶋根郡に記された神祇官社「生馬社」の比定社とされ、祭神の八尋鉾長依日子命は、同じ風土記の「生馬郷」の地名由来にも登場します。現地で撮影した社殿や牛荒神、歳徳神などをたどります。

東生馬の生馬神社。石段と随神門の先に拝殿が建っています。
生馬神社の拝殿正面と注連縄・松江市東生馬町
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生馬神社と『出雲国風土記』

『出雲国風土記』の嶋根郡・神祇官に属する社の一覧に、次の名が見えます。

「生馬社」

この社の現在の比定先とされるのが、東生馬町の生馬神社です。平安時代の『延喜式神名帳』にも嶋根郡の「生馬神社」が載り、当社はその式内社にも比定されています。ただし、古代の社地が現在地と完全に一致するとまで示す記録ではありません。

嶋根郡の神祇官に属さない社の一覧にも、別の「生馬社」が記されます。こちらは西生馬町の同名神社に比定され、東生馬の神社とは区別されています。

風土記の「生馬郷」には、神魂命の御子・八尋鉾長依日子命が、自分の子は「平明らかにして憤まず」と述べたことを地名の由来とする伝承もあります。社名の記録と郷名の伝承は、それぞれ風土記の別の箇所にある話です。

八尋鉾長依日子命と地域の由緒

島根県神社庁が記す主祭神は、八尋鉾長依日子命(やひろほこながよりひこのみこと)。神社庁は、風土記と『延喜式神名帳』に所載の社であり、命が国土経営に尽力したとの由緒を紹介しています。

社頭案内板の記録によると、江戸時代までは「大宮大明神」と称され、生馬郷七か村の総鎮守として信仰されてきました。また、昔は正月15日に青竹の筒を用いた粥で、早稲・中稲・晩稲の作況を占ったと伝わります。現在の実施状況を示すものではありません。

神社名生馬神社(いくまじんじゃ)
所在地島根県松江市東生馬町235番地
主祭神八尋鉾長依日子命
例祭日10月15日
電話番号0852-82-0337(島根県神社庁掲載の連絡先)
公式サイト島根県神社庁の神社詳細をご確認ください
御朱印授与状況は現地または公式情報をご確認ください
駐車場現地案内をご確認ください

一ノ鳥居から本殿、境内の小社へ

まず拝殿の奥にある本殿を横から見て、続いて参道の入口へ戻る順に写真を紹介します。境内で確認できた建物と、名称を写真だけでは確定できない小祠を分けて記します。

拝殿の奥に建つ本殿。写真は左側から見た姿です。
生馬神社の本殿を左側から見た姿
参道入口の一ノ鳥居。鳥居の先に石段が続きます。
生馬神社の一ノ鳥居と奥へ延びる石段
社頭へ続く道。周囲には田畑と山の緑が見えます。
生馬神社へ向かう道と周囲の田園・山並み
参道脇の社号標。隣には小さな案内板が立っています。
生馬神社の社号標と脇に立つ案内板
木立の間をまっすぐ上る石段。手すりが設けられています。
生馬神社の木立の間を上る参道石段
階段の途中に立つ二ノ鳥居。鳥居の向こうにも石段が続きます。
生馬神社の石段途中に立つ二ノ鳥居
石段を上がった先の随神門。門をくぐると社殿のある境内です。
生馬神社の随神門と門の奥に見える境内

牛荒神と歳徳神、石祠

社殿のほかにも、木に藁を巻いた牛荒神や歳徳神の小社が見られます。石造物や小祠の名称は、現地の銘文などで裏付けられないものを断定しません。

藁を巻いた大木を中心とする牛荒神。木の周囲にも祭祀の形が見えます。
生馬神社の牛荒神と藁を巻いた大木の全景
境内の歳徳神の小社。
生馬神社の歳徳神を祀る小社
石造物。「賽の神」か。
生馬神社付近の賽の神とみられる石造物
境内の石祠。祀られている神の名は確認できません。
生馬神社の境内にある石祠
神社近くにある木造の小祠。境外社かどうか、祭神も含めて未確認です。
生馬神社の近くで撮影した小さな木造の祠

東生馬の立地と参道の見え方

参道の写真には、田畑の広がる道の先に木立が続く様子が写っています。鳥居から石段を上がり、随神門を経て境内へ至る配置は、集落側の道から山際の社地へ向かう地形をよく伝えています。この立地を選んだ具体的な理由は分かりません。

本殿については、松江市内の社寺建築調査で19世紀前期の建物とされ、大社造を意識した形式が指摘されています。風土記に名を残す社を訪ねながら、現在の社殿の姿も見ることができます。

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まとめ

東生馬の生馬神社は、『出雲国風土記』嶋根郡の神祇官社「生馬社」に比定される古社です。八尋鉾長依日子命を祀る社で、郷名の由来にも同じ神の名が残ります。石段と随神門、本殿、牛荒神や歳徳神を見て歩くと、地域で大切にされてきた社の今の姿が伝わります。

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所在地と地図

所在地:島根県松江市東生馬町235番地。下の航空写真で参道と周囲の位置を確認できます。

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