【出雲国風土記】嶋根郡の神社一覧|美保神社・生馬神社ほか|松江市・美保関エリア
出雲国風土記(奈良時代)には、嶋根郡(しまねのこおり)として、島根半島一帯の社々が数多く記録されています。
今でいうと、松江市東部から美保関・島根半島沿岸エリアに当たる地域で、美保神社をはじめ数多くの古社が登場します。
本記事では、その神社名を「風土記に書かれた呼び名 → 現在伝わる社名」の形で整理。
さらに、風土記本文に「神祇官に属する」と明記された14社と、「神祇官にあらず」とされる45社に分けて紹介します。
※表記は原文にならい旧字・仮名を一部残しています。
※比定社名には諸説あるものもあります。
※住所メモとして元記事では「松江市美保関町美保関」など現代地名も併記されています。
嶋根郡(しまねのこおり)とは
嶋根郡は、出雲国風土記に登場する沿岸エリアで、現在の島根半島・松江市美保関町周辺にあたる地域と考えられます。 元記事の所在地表記にも「日本、〒690-1501 島根県松江市美保関町美保関」とあり、特に美保神社のある美保関はこの郡を象徴する場所の一つになっています。
海上交通・漁業・港湾と結びついた信仰が濃く、全国的に知られる美保神社(えびす様系統の信仰)や、生馬神社など、今も参拝が続く社が複数確認できます。
出雲国風土記に記された寺院(嶋根郡)
神祇官に属する神社(嶋根郡・一十四所)
出雲国風土記では、まず以下の14社が「並びに神祇官に在り」とまとめて記されています。風土記の社名と、現在伝わる(比定される)社名がセットで残っているものは、両方を併記します。
・多氣社(多気神社)
・久良彌社(久良彌神社)
・同波夜都牟志社(同社坐波夜都武自神社)
・川上社(河上神社)
・長見社(長見神社)
・門江社(門江神社)
・加賀社(加賀神社)
・爾佐社(爾佐神社)
・爾佐加志能為社(爾佐能加志能為神社)
・法吉社(法吉神社)
・生馬社(生馬神社)
・美保社(美保神社)
以上一十四所は、並びに神祇官に在り。
神祇官に属さない神社(嶋根郡・四十五所)
続いて、風土記本文に「神祇官にあらず」と書かれる社々。合計45社として列挙されており、地域の生活信仰・港や集落に根づいた神様が多い層と考えられます。
・阿羅波比社
・三保社
・多久社
・蜛蝫社
・同蜛蝫社
・質留比社
・方結社
・玉結社
・川原社
・蟲野社
・持田社
・加佐奈子社
・比加夜社
・須義社
・伊奈頭美社
・伊奈阿氣社
・比津社
・玖夜社
・同玖夜社
・田原社
・生馬社
・布奈保社
・加茂志社
・一夜社
・小井社
・加都麻社
・須衞都久社
・大埼社
・大埼川邊社
・朝酌社
・朝酌下社
・努那彌社
・椋見社
以上四十五所は、並びに神祇官にあらず。
比定地・巡拝のコツ
風土記に出てくる社名は、そのまま現在の神社名として残っているものもあれば、
地名だけが伝わり社殿自体は別の場所に移っているもの、呼び名が変わったものもあります。
例としては「美保社(美保神社)」「生馬社(生馬神社)」など、現在も社名が続いているものが見えてきます。
・まず美保神社のような大きな社から訪れると、地元の案内板や周辺マップで他の古社の位置関係がつかみやすいです。
・小社・旧社地クラスは、道が細い・駐車場所が限られるなど現地難度が上がるので、事前にナビでピンを打ってから動くと安心です。
・港や河口近くの社(朝酌社・御津社などの名前が示すようなもの)は、今も集落の氏神として息づいている場合があります。
次に読みたい/関連スポット
各神社の住所・駐車場・御朱印など、実用情報はそれぞれの個別参拝記事に掲載しています。
小さな神社・旧社地では、地域の方の生活道路や私有地に配慮して参拝・撮影をお願いします。

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