ちょっと寄り道...出雲國神仏霊場『一畑寺』(第三番札所)|目のお薬師さまと薬師本堂を訪ねて|出雲市小境町

2026年10月22日木曜日

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ちょっと寄り道...出雲國神仏霊場『一畑寺』(第三番札所)|目のお薬師さまと十六羅漢を訪ねて|出雲市小境町

島根県出雲市小境町の山上にある一畑寺(いちばたじ)。通称「一畑薬師」として親しまれ、目のお薬師さまへの信仰を今に伝えるお寺です。今回は「ちょっと寄り道...」として、出雲國神仏霊場第三番の境内を巡ります。薬師本堂だけでなく、十六羅漢堂や観音堂、山上からの眺めにも目を向けてみましょう。

前庭の奥に建つ薬師本堂。大きな屋根と正面の唐破風が目に入ります。
一畑寺の薬師本堂正面と前庭

掲載写真には複数回の参拝時の景色を含みます。堂前の掲示や幟、境内の状態は撮影当時のもので、現在とは異なる場合があります。

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一畑寺の概要と札所

山号は醫王山(いおうざん)。臨済宗妙心寺派の寺院で、一畑薬師教団の総本山でもあります。薬師本堂には薬師瑠璃光如来、法堂には釈迦如来、観音堂には瑠璃観世音菩薩がまつられています。お堂ごとに本尊が異なることを知って歩くと、境内の見方も変わってきます。

出雲國神仏霊場では第三番。20社寺を巡る霊場の全体像もあわせてご覧ください。

山門・各堂・参道の位置関係を示す、撮影当時の境内案内図です。
一畑寺の境内案内図
「出雲観音霊場 特別札所」と記された堂前の標柱。出雲國神仏霊場の標柱とは区別します。
一畑寺の出雲観音霊場特別札所の標柱

札所番号と参拝するお堂

  • 出雲國神仏霊場 第三番:薬師本堂
  • 出雲観音霊場 特別札所:薬師本堂
  • 中国観音霊場 第二十六番:観音堂
  • 百八観音霊場 第三十一番:観音堂
  • 出雲十大薬師霊場 第一番としての来歴:薬師本堂

札所案内は一畑薬師公式サイトを参照しています。出雲十大薬師霊場については、公式サイトに霊場会解散のお知らせ(2024年1月)が掲載されています。過去の札所としての位置づけと、現在の霊場会の状況を分けてご覧ください。

目のお薬師さまの由緒

現地の由緒板には、寛平6年(894)、漁師の与市が赤浦の海から引き上げた薬師如来を本尊としてまつったことが、寺の始まりと記されています。寺の公式縁起にも、与市と母親の眼病平癒にまつわる物語が伝えられています。

赤浦から引き上げられた薬師如来をまつるという、寺の始まりを伝える由緒板。
一畑寺の創開を伝える医王山一畑寺由緒板

こうした縁起を背景に、一畑薬師は目のお薬師さま、子どもの無事成長を願う仏さまとして親しまれてきました。与市と母親の物語を知ってから境内を歩くと、本堂や案内板にも改めて目が向きます。

本尊への信仰とお茶湯について記した現地の説明板です。
一畑薬師瑠璃光如来とお茶湯について記す説明板

山門・法堂から石段と仁王門へ

境内へ向かう道では、石の灯籠や木立、橋のある風景に出会います。本堂へ急ぐ前に、少し周りを眺めながら歩いてみます。

欄干のある橋を渡って進む参拝路。入口から山上の寺へ向かいます。
一畑寺へ向かう参拝路の橋と石灯籠

法堂・本坊方面の山門

法堂や本坊方面へ通じる山門。石段の上に立つ仁王門とは別の門です。
一畑寺の法堂と本坊方面へ通じる山門

山門の先には法堂があります。現地の案内板には、諸儀式に用いるお堂であり、中央に釈迦如来をまつることが記されています。薬師本堂と似た「お堂」という呼び方でも、役割や本尊はそれぞれ異なります。

山門の先に建つ法堂。大きく重なる屋根と木造の正面を眺めます。
一畑寺の法堂正面
法堂の用途と本尊を伝える案内板。薬師本堂との違いを知る手がかりです。
一畑寺の法堂の役割と本尊を示す案内板
道の分岐に並ぶ二体の石像。脇の道標は薬師本堂や石段参道の方向を示します。
一畑寺の石段分岐に並ぶ二体の石像

灯籠の並ぶ石段から仁王門へ

灯籠と幟が並ぶ石段を上ると、木立の向こうに仁王門が現れます。写真の石段は境内で撮影した一部分で、麓からの石段全体を写したものではありません。

手すりを中央に、木立の間へ続く石段を見上げます。
一畑寺の灯籠と幟が並ぶ石段
石段の先に建つ仁王門。門の向こうにも参道が続いています。
一畑寺の石段上に建つ仁王門
仁王門に掲げられた「醫王山」の扁額。寺の山号を伝えます。
一畑寺仁王門の醫王山の扁額

薬師本堂と身近な仏さま

境内の中心となる薬師本堂は、前庭に向かって大きな屋根を広げています。正面だけでなく側面へ目を移すと、軒の重なりや建物の奥行きがよく分かります。

横から見た薬師本堂。正面写真とは違い、屋根や回廊の奥行きが見えます。
一畑寺薬師本堂の屋根と側面

洗仏の仏像と水鉢

本堂の前には、屋根に守られた仏像と水鉢があります。全景では周りの堂との位置関係が、近づいた写真では像や水鉢の造りが分かります。参拝方法は、そのときの現地掲示に従ってください。

屋根の下に仏像と水鉢を納めた一角。背後には境内のお堂が続きます。
一畑寺の洗仏の仏像を納める覆屋
仏像と水鉢を近くから。石の形や供えられたものにも目が向きます。
一畑寺の洗仏の仏像と円形の水鉢

本堂入口のなで仏

本堂入口に安置されたなで仏。赤い前掛けと、そばの案内板が目印です。
一畑寺薬師本堂入口の赤い前掛けを着けたなで仏

十六羅漢堂の表情

本堂の近くには、羅漢像が横に並ぶ十六羅漢堂があります。一体ずつ眺めていると、体の向き、手の位置、顔の表情がずいぶん違うことに気づきます。

横長に続く十六羅漢堂。像の前には、たくさんの奉納物が並んでいます。
一畑寺の羅漢像が横に並ぶ十六羅漢堂全景
羅漢像の細部を見る(8枚)
背後に輪形の光背を持つ二体。姿や手の置き方を見比べられます。
一畑寺十六羅漢堂の羅漢像二体と背後の光背
体を傾けたり腕を上げたり、座り方にも動きがある羅漢像。
一畑寺十六羅漢堂の体を傾け腕を上げる羅漢像
羅漢像の姿に加え、足元の動物の造形にも目が向く一角です。
一畑寺十六羅漢堂の動物の造形を伴う羅漢像二体
体をひねった姿と足元の造形が印象に残る二体です。
一畑寺十六羅漢堂の体をひねる羅漢像
前に身を乗り出すような姿。衣のひだにも細かな表情があります。
一畑寺十六羅漢堂の前に身を乗り出す羅漢像
光背の形や衣のまとい方を見比べるのも、羅漢像を眺める楽しみです。
一畑寺十六羅漢堂の異なる光背を持つ羅漢像
立ち姿と座り姿が並ぶ一角。堂全体とは違う距離で像を見られます。
一畑寺十六羅漢堂の立ち姿と座り姿の羅漢像
腕を大きく上げた像と座る像。手の動きや姿勢の違いを見比べられます。
一畑寺十六羅漢堂の腕を上げた像と座る羅漢像

観音堂と瑠璃観世音菩薩

薬師本堂とあわせてお参りしたいのが、瑠璃観世音菩薩を本尊とする観音堂です。中国観音霊場第二十六番などの巡拝では、こちらのお堂が参拝先になります。

観音堂の正面。前に立つ観音石像とあわせてお参りします。
一畑寺の観音堂正面と堂前の石像
瑠璃観世音菩薩と、観音霊場の札所を伝える案内板。
一畑寺観音堂の本尊と観音霊場を示す案内板
堂前の石柱にも観音霊場の文字が見られます。
一畑寺観音堂前の中国観音霊場の石柱
「瑠璃光殿」の扁額と、その上に広がる天井を見上げます。
一畑寺観音堂の瑠璃光殿の扁額と天井

観音堂の前には、香炉を持つ瑠璃観世音菩薩の石像が立っています。一畑薬師公式の境内案内では、中国の普陀山から請来された石像として紹介されています。

観音堂の前に立つ瑠璃観世音菩薩。手元や足元の意匠も見どころです。
一畑寺観音堂前の瑠璃観世音菩薩石像

鐘楼堂と境内の石碑・石仏

本堂の周りを歩くと、堂々とした鐘楼堂が目に入ります。近くの説明板には、鐘の来歴や、戦時中の供出を経て寺へ戻ったという話が記されています。

斜め下から見上げた鐘楼堂。周りの堂や灯籠と並んで立っています。
一畑寺の木造鐘楼堂と境内の灯籠
鐘の来歴を伝える説明板。語り継がれた話は案内板の記述として読みます。
一畑寺鐘楼堂の鐘の来歴を記す説明板

大きなお堂の間には、石碑や石仏を納めた覆屋もあります。像や碑の名前が分からなくても、置かれた場所や形に目を向けると、境内の歩き方に少し幅が出てきます。

本堂前に立つ大きな石碑。写真では周囲の石や堂との位置関係も分かります。
一畑寺の薬師本堂前に立つ大きな石碑
石仏を安置した覆屋。そばには小さな石仏や供えられた花も見られます。
一畑寺境内の石仏を安置する覆屋

水木しげるさんゆかりの像と案内板

境内には、水木しげるさんの絵が添えられた説明板と、その前に並ぶ二体の像があります。案内板には「のんのんばあ」に関する文章もあり、堂宇や仏像とはまた違った見どころになっています。像を眺めたあとに説明文を読むと、寺とゆかりの人々とのつながりにも関心が向きます。

岩の上に並ぶ二体の像と、その背後に立つ説明板。
一畑寺境内の二体の像と水木しげるさんゆかりの説明板
「のんのんばあ」に触れた文章と絵が添えられた案内板です。
一畑寺の水木しげるさんの絵が添えられた説明板

山上の地形と眺め

一畑寺の境内は山上に広がり、石段や斜面を歩く途中で視界が開けます。お堂の屋根の向こうに湖と山並みが続く景色は、建物を見上げていたときとは違う広がりを感じさせます。

手前の堂の屋根から、宍道湖と遠くの山並みへ視線が抜ける眺めです。
一畑寺境内から見下ろす湖と山並み

御朱印と参拝の記録

こちらは、参拝の際にいただいた御朱印です。出雲國神仏霊場の御朱印は二つの時期のものがあり、中央に「医・目」の一文字が記されています。

平成25年(2013)10月19日付の出雲國神仏霊場の御朱印。
一畑寺の出雲國神仏霊場御朱印と医の文字・平成25年
平成30年(2018)8月5日付の出雲國神仏霊場の御朱印。筆運びにも違いが見られます。
一畑寺の出雲國神仏霊場御朱印と目の文字・平成30年

あわせて、瑠璃観世音菩薩と記された御朱印、薬師如来と記された御朱印も紹介します。霊場の一文字の御朱印と、本尊名を記したものを分けて残すと、お参りした記憶もたどりやすくなります。

平成30年(2018)8月5日付。「一畑薬師如来」と記された出雲十大薬師霊場の御朱印です。
一畑寺の瑠璃観世音菩薩と記された御朱印
平成30年(2018)8月5日付。「薬師如来」と記された出雲三十三番観音霊場の御朱印です。
一畑寺の薬師如来と記された御朱印

御朱印の種類、受付場所、授与料は変更されることがあります。希望する霊場名や御朱印を受付で伝え、最新の案内を確かめてください。

参拝・アクセス案内

所在地は島根県出雲市小境町803。車で向かう場合は、一畑薬師の一般車用駐車場の案内に従ってください。麓から石段を上る参拝と、車で山上へ向かう参拝では、歩く距離や段差が異なります。

公共交通では一畑電車の一畑口駅からバスまたはタクシーを利用する方法が案内されています。接続や運行時刻は出発前に一畑薬師公式の交通案内で確認してください。

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まとめ|本堂から観音堂へ、山上の境内を歩く

目のお薬師さまをまつる薬師本堂、さまざまな姿の羅漢像が並ぶ十六羅漢堂、瑠璃観世音菩薩をまつる観音堂。堂から堂へ歩き、途中で山上の眺めを楽しめるのが、一畑寺の参拝の魅力です。出雲國神仏霊場第三番のお参りでは、本堂だけでなく、その周りに続く祈りの風景にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

※記事内容には正確を期していますが、掲載情報に誤りや変更点がありましたら、お手数ですが 問い合わせフォーム からお知らせください。内容を確認のうえ、必要に応じて訂正いたします。

一畑寺の基本情報

  • 寺院名:醫王山 一畑寺(いおうざん いちばたじ)/通称:一畑薬師
  • 宗派:臨済宗妙心寺派・一畑薬師教団総本山
  • 本尊:薬師瑠璃光如来(薬師本堂)
  • 札所:出雲國神仏霊場 第三番
  • 所在地:〒691-0074 島根県出雲市小境町803
  • 電話:0853-67-0111
  • 公式サイト:一畑薬師(総本山一畑寺)
  • 御朱印:授与状況は現地または公式情報をご確認ください
  • 駐車場:一般車用駐車場あり。利用方法は現地案内をご確認ください

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