【出雲国風土記】意宇郡 山野河川海岸通道|山・川・海岸・通道の記録|松江市・安来市

2020年6月21日日曜日

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【出雲国風土記】意宇郡 山野河川海岸通道|山・川・海岸・通道の記録|松江市・安来市

意宇郡の地形と道筋を「原文」で一気に把握
熊野山・伯太川・宍道川など、郡内の山野/河川/海岸/通道が“郡家からの里程”付きで列挙されます。
現地歩きの下調べ用に、要点と読みどころを簡潔に整理しました。

現地風景(代表写真)

意宇郡周辺の水辺景観(宍道湖周辺)|『出雲国風土記』意宇郡 山野河川海岸通道

意宇郡域の「水辺」を感じる風景(宍道湖周辺)。山野河川海岸通道は、山・川・池・海岸・通道をまとめて記す条です。

目次を開く
  1. 内容紹介
  2. 概要
  3. 原文
  4. 現地写真ギャラリー
  5. アクセス・地図
  6. お問い合わせ

内容紹介

本記事は『出雲国風土記』意宇郡条「山野河川海岸通道」に記された地名を、現地歩きのために見やすく整理したものです。

山は長江山・暑垣山・高野山・熊野山(熊野大神の坐す)・久多美山・玉作山・神名樋野。川は伯太川・意宇川・宍道川など、郡の骨格となる水系が並びます。

池は津間抜池・眞名猪池。海岸は門江濱と沿岸の島々(頭嶋・廣嶋・赤嶋ほか)が挙げられ、内海(宍道湖周辺)~沿岸部の広がりが見えてきます。

通道は国東境(手間剗)・大原郡境(木垣峯)・出雲郡境(佐雑埼)・嶋根郡境(朝酌渡)へ通う距離が示され、末尾に「国の廊」と表現されます。

※比定地には諸説あります。気になる項目は、関連記事(各社・各地名の記事)からも追えます。

概要

対象条 『出雲国風土記』意宇郡「山野河川海岸通道」
主な現在地の目安 島根県 松江市(八雲・玉湯・宍道など)/安来市周辺(伯太川流域 ほか)
読みどころ 熊野山「熊野大神の坐す」/河川・海岸・通道距離の一覧/末尾の「国の廊」表現

原文

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長江山。郡家(ぐうけ)の東南五十里なり。水精(すゐしやう)あり。

暑垣(あつがき)山。郡家の正東(まひがし)二十里八十歩なり。烽(とぶひ)あり。

高野(たかぬ)山。郡家の正東一十九里なり。

熊野(くまぬ)山。郡家の正南(まみなみ)一十八里なり。檜(ひ)・檀(まゆみ)あり。謂はゆる熊野大神の坐す。

久多美(くたみ)山。郡家の西南二十三里なり。

玉作山。郡家の西南二十二里なり。社あり。

神名樋野(かむなびぬ)。郡家の西北三里一百二十九歩なり。高さ八十丈、周(めぐ)り六里三十二歩あり。東に松あり、三方は並びに茅(ち)あり。

凡そ、諸(もろもろ)の山野に在る所の草木は、麥門冬(やますげ)・獨活(うど)・石斛(いはぐすり)・前胡(のぜり)・高梁薑(こうらはじかみ)・連翹(いたちぐさ)・黃精(おほゑみ)・百部根(ほとづら)・貫衆(おにわらび)・白朮(をけら)・薯預(やまついも)・苦參(くらら)・細辛(みらのねぐさ)・商陸(いをすき)・高本(さはそらし)・玄參(おしくさ)・五味子(さねかづら)・黃芩(ひひらぎ)・葛根(くずのね)・牡丹(ふかみぐさ)・藍漆(やまあゐ)・薇(わらび)・藤・李(すもも)・檜・杉 字或いは椙に作る。・赤桐(あかぎり) 字或いは梧に作る。・白桐(きり)・楠(くすのき)・椎(しひ)・海榴(つばき) 字或いは椿に作る。・楊梅(やまもも)・松・栢(かへ) 字或いは榧(かへ)に作る。・蘗(きはだ)・槻(つき)。禽獸には則ち、鵰(わし)・晨風(はやぶさ) 字或いは隼に作る。・山雞(やまどり)・鳩・鶉(うずら)・鶬(ひばり) 作。・鴟鴞(づく) 橫到に作る惡鳥なり。・熊・狼・猪・鹿・兎・狐・飛鼯(むささび) 字或いは犭(けものへん)畾(らい)に作る、蝠に作る。・獼猴(さる)の族(やから)あり。至(いと)繁多(さは)にして、題(しる)すべからず。

伯太(はだ)川。源は仁多(にた)と意宇(おう)と二郡の堺なる葛野(かどぬ)山より出で、流れて母理(もり)・楯縫(たてぬい)・安來(やすぎ)の三郷を經て入海に入る。年魚(あゆ)・伊久比(いぐひ)あり。

山國川。源は郡家(ぐうけ)の東南三十八里なる枯見(からみ)山より出で、北に流れて伯太川に入る。

飯梨(いひなし)川。源は三つあり。一水(ひとすじ)の源は、仁多(にた)・大原(おほはら)・意宇(おう)三郡の堺なる田原より出で、一水の源は枯見(からみ)より出で、一水の源は仁多郡の玉嶺(たまみね)山り出づ。三つ水合ひ、北に流れて入海にはいる。年魚(あゆ)・伊久比(いぐひ)あり。

筑陽(つきや)川。源は郡家の正東(まひがし)一十里一百歩なる荻(をぎ)山より出で、北に流れて入海に入る。年魚あり。

意宇(おう)川。源は郡家の正南(まみなみ)一十八里なる熊野(くまぬ)山よりいでて北に流れ、東(ひむがし)に折れ、流れて入海に入る。年魚(あゆ)・伊久比(いぐひ)あり。

野代(ぬしろ)川。源は郡家(ぐうけ)の西南一十八里なる須我(すが)山より出で、北に流れて入海に入る。

玉作(たまつくり)川。源は郡家の正西(まにし)一十九里なる阿志(あし)山より出で、北に流れて入海に入る。年魚あり。

來待(きまち)川。源は郡家の正西二十八里なる和奈佐(わなさ)山より出で、西に流れて山田村に至り、更に折れて北に流れて入海に入る。 年魚あり。

宍道(ししぢ)川。源は郡家の正西三十八里なる幡屋(はたや)山より出で、北に流れて入海に入る。魚なし。

津間拔(つまぬき)池(のいけ)。周(めぐ)り二里四十歩あり。鳧(たかべ)・鴨・鮒・蓼(たで)あり。

眞名猪(まなゐ)池。周り一里あり。北は入海なり。

門江(かどえ)濱。伯耆と出雲との二國の堺なり。東より西に行く。

子嶋。既(ことごと)に礒(いそ)なり。

粟(あは)嶋。椎・松・多年木(あはぎ)・宇竹(うだけ)・眞前(まさき)等の草木あり。

砥神(とかみ)嶋。周(めぐ)り三里一百八十歩。高さ六十丈あり。椎・松・莘(みらのねぐさ)・薺頭蒿(おはぎ)・都波(つは)・師太(しだ)等の草木あり。

加茂(かも)嶋。既(ことごと)に礒(いそ)なり。

羽(ぱ)嶋。椿・比佐木(ひさぎ)・多年木(あはぎ)・蕨(わらび)・薺頭蒿(おはぎ)あり。

鹽楯(しほたて)嶋。蓼螺子(たでにし)・水蓼(みづたで)あり。

野代(ぬしろ)の海の中に蚊嶋(かしま)あり。周り六十歩あり。中央(まなか)は涅土(くろつち)にして、四方は並(なら)びに礒(いそ)なり。中央(まなか)に手掬(たづか)許(ばか)りの木一株(もと)あるのみ。其の礒に螺子(にし)・海松(みる)あり。

茲(ここ)より以西(にし)、濱、或るは峻崛(さが)しく或るは平土(たひら)にして、並(なら)びに是れ通道(かよひぢ)の經(とほ)る所なり。

通道(かよひぢ)。國の東の堺(さかい)なる手間剗(てまのせき)に通ふは四十一里一百八十歩なり。

大原郡の堺なる木垣峯(きがきのみね)に通ふは三十三里二百歩なり。

出雲郡の堺なる佐雜埼(ささふのさき)に通ふは四十二里三十歩なり。

嶋根郡の堺なる朝酌渡(あさくみのわたり)に通ふは四里二百六十歩なり。

前(さき)の件(くだり)の一郡は入海の南にあり。

是れ則ち國の廊(ほそどの)なり。

           郡司 主帳   无位       海(あま) 臣(のおみ)

                   无位       出雲臣(いずものおみ)

              少領 外(げ)從七位上 勳十二等 出雲臣

              主政 外小初位上 勳十二等 林(はやし) 臣(のおみ)

              擬主政  无位       出雲臣

能義神社(野城社)|意宇郡の古社(安来市)

能義神社(野城社)の拝殿|島根県安来市能義町|意宇郡

拝殿。意宇郡域の参拝・散策の拠点にもなる古社(安来市能義町)。

宍道湖周辺の風景|内海(入海)のイメージ

強い日差しを受けてきらめく宍道湖の湖面。遠景に小さな島影が浮かび、内海(入海)の静かな広がりを感じさせる風景写真。

宍道湖の湖面に光がきらめく風景。『風土記』に見える「入海(内海)」の“広がり”をイメージするための写真です。

アクセス・地図

意宇郡の山野・河川・海岸・通道は広域に分布します。地図は代表地点として「熊野大社(松江市八雲町)」付近をハイブリッド表示で示します。

地図(ハイブリッド表示)

代表地点熊野大社(代表地点)
住所目安島根県松江市八雲町熊野(周辺)
駐車場各スポットで異なります(個別記事・現地案内をご確認ください)
メモ原文の里程(郡家からの距離)と、現代地の地名・社寺名を照合しながら巡るのがおすすめです。

お問い合わせ

取材・誤記連絡誤字脱字や比定地のご指摘は、コメントまたはお問い合わせからご連絡ください。
写真の差し替え現地写真の追加・差し替え希望があれば、撮影地・撮影日を添えてお知らせください。
引用について短い引用は出典明記のうえでお願いします(本文・画像の転載はご相談ください)。
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管理者出雲の神様に会いに行こう!~出雲国風土記探訪~@ぐうたら亭主

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