【出雲国風土記】揖夜神社(伊布夜社)|伊弉冉命を祀る意宇六社の古社と黄泉比良坂|意宇郡・松江市東出雲町
「出雲国風土記」に名を刻む、1300年以上の歴史を持つ古社。
伊弉冉命を主祭神とする揖夜神社(伊布夜社)へ、あなたも時の扉をひらいてみませんか?
御祭神
| 主祭神 | 伊弉冉命 |
|---|---|
| 配祀神 | 大己貴命 少彦名命 事代主命 武御名方命 経津主命 |
御由緒(歴史)
松江市東出雲町に鎮座する揖夜神社は、出雲国風土記にも記載される古社で、意宇六社の一つに数えられます。主祭神は伊弉冉命で、黄泉比良坂伝説とも深く結びつきます。 風土記では伊布夜社が在神祇官社に2社、不在神祇官社に1社あり、意宇郡10番目の伊布夜社を当社、31番目を境内社「韓国伊太氐神社」、58番目を「三穂津姫神社」に比定する説があります。
現地写真ギャラリー
恵比須神社(北側)
恵比須神社(南側)
荒神と石祠
御祭神:左の祠 経津主命 右祠 建御名方命荒神
御祭神:スサノオ 大蛇神御神木
稲荷神社
火守神社
揖夜神社 御仮殿
由緒碑
随神門
鳥 居
意宇六社
揖夜神社は意宇六社の一社で、『古事記』『日本書紀』『出雲国風土記』にも見える古社です。司馬遼太郎『街道をゆく』では、出雲らしい立派な社殿と静かな社叢、摂末社の趣が印象深いと記され、境内の「荒神社(あらじんじゃ)」の名から古代の渡来系信仰にも言及しています。今もその佇まいは大きく変わっていません。
手水舎
狛犬
灯 篭
石 碑
社号標
出雲風土記登場地標柱
説明板
東出雲町の揖夜神社の説明板御朱印
伝説では、イザナギは亡き妻イザナミを追って黄泉の国へ行きますが、その姿を見て怒りを買います。追ってくる黄泉の軍勢をふさぐため、イザナギは巨大な「千引の岩」を黄泉比良坂に据えて道を塞ぎ、難を逃れました。
伝承では、黄泉比良坂でイザナギが桃の実を三つ投げ、追ってきた黄泉の軍勢を退けました。助けられたことから、桃に「意冨加牟豆美命」の名を授け、人々を守る力を託したとされます。ここの桃は原種系の「オハツモモ」です。
黄泉の国の追手から逃れたイザナギは桃の実を投げて退け、最後に巨大な岩(千引の大岩)で道を塞ぎ、生と死の境としました。周辺には西200mに道祖神、東400mに峠があり、古道が通じます。ここで祀られる神は「塞坐黄泉戸大神」です。
黄泉比良坂は『古事記』に登場する坂で、イザナギが黄泉から逃れる際に桃で悪霊を退けた場所とされます。大国主(大穴牟遅)が須佐之男の試練を越え、名を授かり国づくりを託された地とも伝わります。場所は出雲の「伊賦夜坂」とされ、碑の西側の山道の途中には塞の神が祀られます。『日本書紀』には、イザナギが投げた杖から生まれた神と記され、今も小石を積む風習が残っています。
ここは黄泉と現世の境とされ、『古事記』ではイザナギが亡き妻イザナミを訪ねた入口がこの黄泉比良坂だと記されます。別名は「伊賦夜坂」。昭和15年に「神蹟黄泉比良坂伊賦夜坂伝説地」の石碑が建てられました。
アクセス・駐車場
島根県松江市東出雲町揖屋2229。県道191号沿い/境内左手に駐車場あり。
お問い合わせ
| 所在地 | 島根県松江市東出雲町揖屋2229 |
|---|---|
| TEL | 0852-52-2043 |
| 駐車場 | 県道191号線沿いの神社左手にあります。 |
| 御朱印 | 社務所(不定休)。7~9月:9:00–16:00/10~6月:9:30–15:30 |
| 公式 | 揖夜神社 公式サイト/メールフォーム |



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