ちょっと寄り道...大芦小具・弁天島の『弁天社』|海に浮かぶ小社と『出雲国風土記』の大埼浜
松江市島根町大芦の小具湾に、小さな島があります。岸から橋を渡ると、鳥居の奥に弁天社の社殿。海のすぐそばで祀られてきた社を、現地で撮影した5枚の写真とともに訪ねます。
この地域の「大埼浜」と「大埼社」「大埼川邊社」は『出雲国風土記』に記されています。弁天社は『出雲国風土記』に記載された神社ではありません。今回は、風土記ゆかりの大芦を歩く「ちょっと寄り道」として、海辺の小社を紹介します。
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弁天社と『出雲国風土記』の大埼浜
弁天社は、大芦小具の海岸近く、湾内の弁天島に鎮座します。松江市の「島根町まち歩き散策マップ」には、島に鳥居・宮・自然石を積んだ灯籠があり、石橋で歩いて渡れると紹介されています。
奈良時代の『出雲国風土記』嶋根郡条には、現在の大芦に関わる浜として、次の記述があります。
大埼濱。廣さ一里一百八十歩あり。西北に百姓の家あり。
同じ嶋根郡の神社一覧には「大埼社」「大埼川邊社」も見え、それぞれ現在の大埼神社・大埼川邊神社に比定されます。弁天社はそのどちらにも当たらず、『出雲国風土記』に記載された神社ではありません。風土記が伝える大芦の古い地名と、この島に伝わる弁天信仰を、それぞれの時代のものとして紹介します。
参考:松江市「島根町まち歩き散策マップ」/当ブログ「嶋根郡 山野河川海岸通道」
弁財天信仰と弁天社の由緒
島の名が示すように、ここは弁財天を祀る場所として紹介されています。松江市の散策マップは、弁財天と水辺や島との結び付きを説明しています。小具湾の水際に小社があることも、この地の弁天信仰を考える手掛かりになります。
地元神社を紹介する「松江の神社」は、『雲陽誌』の「辯財天」に市杵島姫命と倉稲魂命を祀るとの記録を引き、現在の祭神欄には市寸嶋比賣命・多紀理毘賣命・多岐都比賣命を掲げています。また、大埼川邊神社の境外社「辨天神社」に当たる可能性を記しています。ただし、祭神の表記と境外社としての関係は確定情報として断言できません。創建年や勧請の経緯も、今回確認できた資料には記されていません。
参考:松江の神社「弁天社」
現地写真でたどる橋・鳥居・石灯籠
海の上を渡る参道
岸から島へ伸びる細い橋を進みます。写真では橋の先に鳥居と社殿が重なり、その左右に小具湾の水面が広がっています。
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岩場に立つ鳥居と石段
橋を渡った先には木の鳥居が立ち、後方の石段が小さな社殿へ続きます。岩場の上に鳥居と社殿が収まる、弁天島ならではの眺めです。
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水際の石灯籠
鳥居の左手には石を組んだ灯籠があります。周囲の岩と近い距離で立つ姿は、海辺の小さな社の風景に自然になじんでいます。
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小具湾に浮かぶ弁天島の立地
少し離れて眺めると、橋で岸とつながった岩の小島に鳥居と社殿が置かれていることがよく分かります。穏やかな湾の内側から、その先の日本海までを一望できる立地です。水辺に弁天を祀るという信仰のあり方を、現地の景色から感じ取れます。ただし、この場所に社を建てた具体的な理由は資料で確認できていません。
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まとめ
大芦小具の弁天社は、橋を渡って参拝する小具湾の小社です。『出雲国風土記』にはこの地域の「大埼浜」や「大埼社」「大埼川邊社」が記されていますが、弁天社は掲載されていません。風土記ゆかりの大芦を訪ねる際に立ち寄りたい、海辺の弁天信仰を伝える社です。
※記事内容には正確を期していますが、掲載情報に誤りや変更点がありましたら、お手数ですが 問い合わせフォーム からお知らせください。内容を確認のうえ、必要に応じて訂正いたします。
基本情報・アクセス
| 神社名 | 弁天社(弁天島) |
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| 所在地 | 〒690-0402 島根県松江市島根町大芦小具(番地は確認できません) |
| 電話番号 | 公式情報をご確認ください |
| 公式サイト | 公式情報をご確認ください |
| 御朱印 | 無し |
| 駐車場 | 小具集会場の駐車場に停めて参拝しましたが、現地案内をご確認ください |
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