【出雲国風土記】大埼神社(大埼社)|風土記の「大椅社」と現在の神社を訪ねる|嶋根郡・松江市島根町

2026年10月10日土曜日

伊弉冉尊 出雲国風土記 松江市 神社巡り 大埼神社 島根町 嶋根郡

大埼神社|『出雲国風土記』の大埼社と、石段の先に出会う狛犬たち

松江市島根町大芦の大埼神社(おおさきじんじゃ)は、『出雲国風土記』嶋根郡の「大埼社」に比定される神社です。伊弉冉尊をお祀りし、五穀豊穣や家内安全を祈る信仰が伝えられています。

2026年9月21日に参拝しました。集落から石段を上り、木々に囲まれた参道を進むと、随神門と社殿、そして姿の異なる狛犬たちに出会えます。

大埼神社の拝殿を斜め前から見た外観

目次

大埼神社の概要

大埼神社は、島根県松江市島根町大芦2106番地に鎮座します。『出雲国風土記』では嶋根郡にあたる地域です。現在の所在地や御祭神は島根県神社庁の掲載情報で確認できます。

参拝の入口には「出雲国風土記登場地」の案内があり、古い社名をたどる旅の目印になります。境内へは石段と木立の中の参道を進みます。

『出雲国風土記』での記載と比定

『出雲国風土記』の嶋根郡には、大埼社の名が伝えられています。島根県の「出雲国風土記の道しるべ」では、「大埼社(大埼神社)」として、現在の大埼神社を紹介しています。

このブログでは、『出雲国風土記』を読み解く基本資料として、加藤義成氏の『校注 出雲國風土記』と『修訂 出雲国風土記参究』を参照しています。風土記に記された社名と、現在の神社に伝わる御祭神・祭礼については、資料と時代を区別して紹介します。

古い社名を手掛かりに現地を訪ねると、石段や参道、社殿を通して、現在も地域に息づく神社の姿に出会えます。風土記の記載と今の境内を重ねながら歩くことが、この神社を訪ねる楽しみの一つです。

近隣には大埼川邊神社も鎮座しています。あわせて訪ねると、大芦に残る二つの神社を見比べられます。掲載郡のほかの神社は、嶋根郡の神社一覧でも紹介しています。

御祭神と由緒|伊弉冉尊を祀る社

島根県神社庁によると、大埼神社の主祭神は伊弉冉尊(いざなみのみこと)。御神徳として五穀豊穣・家内安全が挙げられ、例祭日は10月29日とされています。

また、同庁の案内には、秋の収穫祭に「ちいーな、まいた」と呼ばれる行事があり、地区ごとに豊作と家内安全を祈ることが紹介されています。古代の社名を伝える場所であり、地域の暮らしに結びついた祈りを受け継ぐ神社でもあります。

創建年代や現在の社殿の建立年代は、今回確認した資料からは特定できません。風土記に見える社名との関係と、現在伝えられている祭神・行事を中心に紹介します。

境内を歩く|石段・随神門・社殿・狛犬

入口の案内と石段

入口の案内標識のそばには石灯籠と狛犬が並びます。鳥居の先には長い石段が続き、見上げると境内へ向かう道筋がよく分かります。

入口に立つ「出雲国風土記登場地」の案内
大埼神社入口の出雲国風土記登場地案内と石灯籠・狛犬
鳥居の先から続く石段
大埼神社の鳥居の柱越しに見上げた石段
石鳥居の扁額を見上げる
大埼神社の石鳥居に掲げられた石の扁額

石段の下の狛犬は、尾を高く持ち上げた姿が目を引きます。左右それぞれの表情や脚の構えにも違いがあります。

石段入口の狛犬(一体目)
大埼神社の石段入口に立つ尾を高く上げた狛犬の一体
石段入口の狛犬(もう一体)
大埼神社入口の道路側から見たもう一体の狛犬

木立の参道から随神門へ

石段を上ると、木立の中を参道が続きます。灯籠を見ながら奥へ進み、随神門をくぐって社殿へ向かいます。

木立の中を進む参道
大埼神社の木々に囲まれた参道と石灯籠
大埼神社の随神門
大埼神社の随神門正面とその両側の狛犬

社殿と「大崎神社」の扁額

拝殿には木の扁額が掲げられています。写真では「大崎神社」と読めます。島根県神社庁の掲載名は「大埼神社」であり、現地で見られる表記として扁額の文字も記録しておきます。

拝殿の扁額には「大崎神社」の文字
大埼神社の拝殿に掲げられた大崎神社と記された木の扁額

本殿を横から見ると、高い床と屋根の千木・鰹木が印象に残ります。木々を背景にした姿は、拝殿から眺めたときとはまた違う表情を見せてくれます。

横から見た大埼神社の本殿
大埼神社本殿の側面と屋根の千木・鰹木

姿の違いを楽しめる境内の狛犬

境内には、座った姿の狛犬や、前脚を低くして尾を上げた狛犬など、いくつもの石像が見られます。口の開き方、たてがみ、足元を順に見ていくと、それぞれの造形の違いが分かります。

口を開けて座る境内の狛犬
大埼神社境内の口を開けて座る明るい色の石の狛犬
尾を高く上げた狛犬(口を開けた姿)
大埼神社境内で前脚を低くし尾を上げた口の開いた狛犬
尾を高く上げた狛犬(口を閉じた姿)
大埼神社境内で尾を上げ口を閉じた狛犬
石肌に時の積み重なりを感じる狛犬
大埼神社境内で口を閉じて座る風化した石の狛犬
足元に小さな狛犬が添えられた一体
大埼神社境内の口を開けた狛犬と足元の小さな狛犬
柵のそばに並ぶ三体の狛犬
大埼神社の柵のそばに並ぶ三体の石の狛犬

柵のそばにも石の狛犬が並んでいました。移された経緯や年代は確認できていませんが、一体ずつ眺めると、この境内に残る狛犬の多様さを実感できます。

地形・立地と参拝時の駐車

大埼神社では、道路に近い入口から石段を上り、木々に囲まれた社殿へ向かいます。集落の側から一段高い境内へ歩くことで、日常の道から神社の空間へ移る感覚があります。

島根県の「出雲国風土記の道しるべ」では、大芦という現在の地名と大埼とのつながりも紹介されています。社名だけでなく、土地の名前にも目を向けながら訪ねたい場所です。

今回の参拝では、近くの学校跡と思われる施設の入口付近に車を停めました。神社専用の駐車場として確認した場所ではありません。車で訪れる際は、現地の案内や施設管理者に駐車可能な場所をご確認ください。

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まとめ|古い社名と、今に続く地域の祈り

大埼神社は、『出雲国風土記』嶋根郡の大埼社に比定される神社です。現在は伊弉冉尊を祀り、五穀豊穣や家内安全を願う地域の信仰を伝えています。

2026年9月21日の参拝では、長い石段、木立の参道、随神門、そしてさまざまな狛犬が印象に残りました。風土記の社名を確かめながら、境内の小さな違いもゆっくり見て歩きたい神社です。

※記事内容には正確を期していますが、掲載情報に誤りや変更点がありましたら、お手数ですが 問い合わせフォーム からお知らせください。内容を確認のうえ、必要に応じて訂正いたします。

大埼神社の基本情報・連絡先

神社名大埼神社(おおさきじんじゃ)
所在地島根県松江市島根町大芦2106番地
御祭神伊弉冉尊
例祭日10月29日(島根県神社庁掲載情報)
電話番号0852-85-2162(島根県神社庁掲載の連絡先)
公式サイト公式情報をご確認ください。島根県神社庁の掲載情報
御朱印授与状況は現地または公式情報をご確認ください
駐車場専用駐車場の有無は未確認。現地案内をご確認ください
参拝日2026年9月21日

風土記の基本参考文献:加藤義成『校注 出雲國風土記』、同『修訂 出雲国風土記参究』。

神社の所在地・御祭神・祭礼と現地紹介の参考資料:島根県神社庁「大埼神社」、島根県「出雲国風土記の道しるべ・嶋根郡」。境内の写真と参拝時の記録は2026年9月21日の現地記録です。

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