【出雲国風土記】神門郡の郷里と驛家一覧|郡名の由来と8郷の伝承を読む|出雲市

2021年2月16日火曜日

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【出雲国風土記】神門郡の郷里と驛家一覧|郡名の由来と8郷の伝承を読む|出雲市

出雲国風土記では、神門郡(かむどのこほり)に 郷8・里22・餘戸1・驛家2・神戸1が置かれていたと記録されています。
本記事では、各郷名の由来を ①現代語の要約②風土記原文(折りたたみ) の2段構成で整理しました。
現地散策や参拝ルートづくりの下調べにご活用ください。

※比定地(現在の行政地名・位置)は諸説あります。現地案内板や資料も合わせてご確認ください。

神門郡 郷里驛家の記事扉写真。神西の岩坪(湧水と岩盤のくぼみ)が見える風景
神西の岩坪(扉写真)
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  1. 神門郡の概要
  2. 郷・里・驛家の概要
  3. 郷名一覧と由来(8郷)
  4. 現地写真ギャラリー
  5. 比定地・補足メモ
  6. アクセス(地図)
  7. お問い合わせ
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神門郡の概要

神門郡(かむどのこほり)は、古代出雲国を構成した郡のひとつで、現在の出雲市(中心部〜西部・南西部)を中心とする範囲に比定されることが多い地域です。
風土記本文では、郡名の由来として「神門臣(かむどのおみ)伊賀曾然が神門を貢(たてまつ)ったこと」や、神門臣一族が古くからこの地に居住したことが語られます。

出雲国風土記の記載を読む(原文:郡名の由来)

神門(かむど)と 號(なづ)くる 所以(ゆゑ)は、神門臣(かむどのおみ)伊賀曾然(いかそね)が 時 に、神 門 貢(たてまつ)りき。故(かれ)、神門 と云ふ。卽 ち 神門臣等、古(いにしえ)より 今 に至るまで、常に此の處に 居(す)めり。故(かれ)、神門 と云ふ。

郷・里・驛家の概要

神門郡には 郷8 が立てられ、郷ごとに里が配されます。本文冒頭では、合計として 里22・餘戸1・驛家2・神戸1 も併記されます。
驛家は、郡内交通(公的な往来)の節目となる施設で、神門郡では 狹結驛多岐驛 の2つが見えます。

出雲国風土記の記載を読む(原文:冒頭)

神門郡(かむどのこほり)

合はせて郷八、里(こざと)二十 二。餘戸(あまりべ)一、驛家(うまや)二、神戸(かむべ)一。

神門(かむど)(なづ)くる所以(ゆゑ)は、神門臣(かむどのおみ)伊賀曾然(いかそね)に、(たてまつ)りき(かれ)神門と云ふ。卽神門臣等(いにしえ)よりに至るまで、常に此の處に()めり(かれ)神門と云ふ

郷名一覧と由来(8郷)

朝山郷(あさやま)

現代語要約:眞玉着玉之邑日女命に大穴持命(大国主)が求婚し、朝ごとに通ったことから「朝山」と呼ぶ、と伝えます。
比定地メモ:現在の出雲市内の「朝山」周辺に比定される説があります。

出雲国風土記の記載を読む(原文)

朝山郷(あさやまのさと)郡家(ぐうけ)東南五里五十六歩なり神魂命(かみむすびのみこと)御子眞玉着玉之邑日女命(またまつくたまのむらひめのみこと)()ましき()所造天下大神大穴持命(あめのしたつくらししおほかみおほなもちのみこと)(つまど)ひて、朝毎(あさごと)()しき(かれ)朝山と云ふ

日置郷(へき)

現代語要約:志紀嶋宮御宇天皇の御世に、日置伴部が派遣され、宿泊して政(まつりごと)を行った地であるため「日置」と呼ぶ、と伝えます。
比定地メモ:現在の出雲市内の「日置」地名周辺に比定される説があります。

出雲国風土記の記載を読む(原文)

日置郷(へきのさと)。郡家正東(まひがし)四里なり志紀嶋宮御宇天皇(しきしまのみやにあめのしたしらしめししすめらみこと)御世に、日置伴部(へきのともべ)(つか)はされ宿停(とど)まりて(まつりごと)()なり(かれ)日置(へき)と云ふ。

塩冶郷(やむや)

現代語要約:もとは「止屋(やむや)」と書き、塩冶毗古能命が坐したことに由来すると伝えます。神亀3年に字を「塩冶」へ改めた、と記されます。
比定地メモ:現在の出雲市塩冶町周辺に比定される説があります。

出雲国風土記の記載を読む(原文)

鹽冶郷(やむやのさと)。郡家東北六里なり阿遲須枳高日子命(あぢすきたかひこのみこと)御子鹽冶毗古能命(やむやびこのみこと)坐しき(かれ)止屋(やむや)と云ふ。神龜三年に、字を鹽冶と改む。

八野郷(やぬ)

現代語要約:八野若日女命が坐し、大穴持命が娶ろうとして屋(や)を造らせたため「八野」と呼ぶ、と伝えます。
比定地メモ:現在の出雲市内の「八野」周辺に比定される説があります。

出雲国風土記の記載を読む(原文)

八野郷(やぬのさと)。郡家正北(まきた)三里二百一十歩なり須佐能袁命(すさのをのみこと)御子八野若日女命(やぬのわかひめのみこと)()しき()所造天下大神大穴持命(あめのしたつくらししおほかみおほなもちのみこと)(つまど)はむとして、()を造らしめひき(かれ)八野と云ふ

高岸郷(たかぎし)

現代語要約:阿遲須枳高日子命が昼夜に哭き、そこで高屋を造り、高椅を建てて養い奉ったことから、もとは「高崖(たかぎし)」と称したと伝えます。神亀3年に字を「高岸」へ改めた、と記されます。
比定地メモ:現在の出雲市内の「高岸(高崖)」周辺に比定される説があります。

出雲国風土記の記載を読む(原文)

高岸郷(たかぎしのさと)郡家(ぐうけ)東北二里なり所造天下大神(あめのしたつくらししおほかみ)御子。阿遲須枳高日子命(あぢすきたかひこのみこと)(いた)晝夜(ひるよる)()()しき()りて、高屋りて坐させ。卽高椅(たかはし)を建てて、りして(ひた)(まつ)りき(かれ)高崖(たかぎし)と云ふ。神龜三年に、字を高岸と改む

古志郷(こし)

現代語要約:伊弉那彌命の時に日淵川をもって池を築造した際、古志(越)の国人が来て堤を作り宿居したところなので「古志」と呼ぶ、と伝えます。
比定地メモ:現在の出雲市古志町周辺に比定される説があります。

出雲国風土記の記載を読む(原文)

古志郷(こしのさと)。卽郡家(ぐうけ)()けり。伊弉那彌命(いざなみのみこと)、日淵川を以て池を築造りたまひき()古志(こし)の國人(たち)到來(きた)りて、(つつみ)(つく)りて、(やが)宿居(やど)れりし所なり(かれ)古志(こし)と云ふ

滑狭郷(なめさ)

現代語要約:和加須世理比賣命が坐し、大穴持命が通った時、社の前の磐石がとても滑らかだったため「滑(なめし)磐石」と詔り、もとは「南佐(なめさ)」と称したと伝えます。神亀3年に字を「滑狭」へ改めた、と記されます。
比定地メモ:現在の出雲市内の「なめさ」地名周辺に比定される説があります。

出雲国風土記の記載を読む(原文)

滑狹郷(なめさのさと)。郡家南西八里なり須佐能袁命(すさのをのみこと)御子和加須世理比賣命(わかすせりひめのみこと)()しき()所造天下大神命(つまど)ひてひ坐ししに、()磐石(いは)あり。其(いと)(なめら)かなりき。卽()りたまひしく、「(なめし)磐石(いは)なるかも」と()りたまひき(かれ)南佐(なめさ)と云ふ。〈神龜三年に、字を滑狹と改む

多伎郷(たき)

現代語要約:阿陀加夜努志多伎吉比賣命が坐したことに由来し、もとは「多吉(たき)」と書いたと伝えます。神亀3年に字を「多伎」へ改めた、と記されます。
比定地メモ:現在の出雲市多伎町周辺に比定される説があります。

出雲国風土記の記載を読む(原文)

多伎郷(たきのさと)。郡家南西二十なり。所造天下大神御子阿陀加夜努志多伎吉比賣命(あだかやぬしたききひめのみこと)坐しき(かれ)多吉(たき)と云ふ。神龜三年に、伎と改む

餘戸・驛家・神戸

餘戸里(あまりべ)

現代語要約:郡家の南西三十六里にあるとし、名称の説明は「意宇郡の如し」として省略されています。
比定地メモ:他郡の餘戸条とあわせて検討すると理解しやすい項目です。

出雲国風土記の記載を読む(原文)

餘戸里(あまりべのさと)。郡家南西三十六里なり名をくこと、意宇郡の如し。

驛家(うまや)

現代語要約:神門郡には驛家が2つ見えます。狹結驛は郡家と同じ所、多岐驛は郡家の西南十九里と記されます。いずれも神亀3年の字改めに触れています。
比定地メモ:古志郷・多伎郷の記述とセットで読むと、地名のつながりが見えます。

出雲国風土記の記載を読む(原文)

狹結驛(さよふのうまや)郡家(ぐうけ)じ處なり古志國(こしのくに)佐與布(さよふ)人來()めり(かれ)最邑(さよふ)と云ふ。神龜三年に、字を狹結と改む()める所以(ゆゑ)は、くこと古志郷の如し。

多岐驛(たきのうまや)。郡家西南一十九里なり名をき、字を改むることは、多伎郷の如し。

神戸里(かむべ)

現代語要約:郡家の東南十里にあるとし、名称説明は「意宇郡の如し」として省略されています。
比定地メモ:神戸(かむべ)関連は、他郡の例と比較すると整理しやすい項目です。

出雲国風土記の記載を読む(原文)

神戸(かむべ)里。郡家東南一十里。名をくこと、意宇郡の如し。

比定地・補足メモ

  • 郷名の説明は、風土記本文の伝承(神名・婚姻譚・地形描写・字改めなど)に沿って整理しています。
  • 「神亀三年に字を改む」とある郷(塩冶・高岸・滑狭・多伎)は、古い表記(止屋/高崖/南佐/多吉)も併記して読むと把握しやすいです。
  • 餘戸里・神戸里は「意宇郡の如し」とされ、詳細説明が省略されています。別郡記事と突き合わせると理解が進みます。
  • 距離(○里○歩)は風土記の表現に従っています。現代の道路距離とは一致しない場合があります。

アクセス(地図)

神門郡の比定地は出雲市内に広く点在します。下の地図は目安として「出雲市 東神西町」周辺を表示しています。

お問い合わせ

参拝時間・駐車場・撮影可否 神社・史跡ごとに異なります。現地掲示や自治体・観光案内も合わせてご確認ください。
祭礼日・立入制限 祭礼日や行事により立入制限がある場合があります。参拝時は地域の案内に従ってください。
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各市町村の観光案内 出雲市しまね観光ナビ(島根県観光)も参考になります(最新情報の確認に)。
初出:2021-02-16
最終更新:
出雲の神様に会いに行こう!~出雲国風土記探訪~@ぐうたら亭主
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