【出雲国風土記】伊波神社(伊波社・上直江八幡宮境内社)|大国主命を祀る古社|出雲郡・出雲市斐川町

2026年8月24日月曜日

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【出雲国風土記】伊波神社(伊波社・上直江八幡宮境内社)|大国主命を祀る古社|出雲郡・出雲市斐川町

出雲市斐川町上直江に鎮座する伊波神社(いはじんじゃ)は、上直江八幡宮の境内に祀られる小社です。

『出雲国風土記』出雲郡条に記された「伊波社」の比定社の一つとされ、現在は大国主命を祀ると伝えられています。

もとは西方の岩野山上に鎮座していましたが、江戸時代中頃に現在地へ遷されたとされます。境内には伊波神社の社殿をはじめ、上直江八幡宮の拝殿・本殿・随神門や平野神社などが残ります。

上直江八幡宮の拝殿。伊波神社を境内に祀る、上直江地域の信仰の中心です。
出雲国風土記の伊波社に比定される伊波神社を祀る上直江八幡宮の拝殿
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  1. 伊波神社の概要と『出雲国風土記』の記載
  2. 御祭神と伊波神社の由緒
  3. 伊波神社・拝殿・本殿・鳥居・随神門・境内社
  4. 岩野山から現在地へ伝わる立地
  5. 伊波神社のまとめ
  6. 基本情報・連絡先
  7. アクセス・Googleマップ

伊波神社の概要と『出雲国風土記』の記載

伊波神社は、島根県出雲市斐川町上直江に鎮座する上直江八幡宮の境内社です。読み方は「いはじんじゃ」。現在の斐川町一帯は、古代の行政区分では『出雲国風土記』の出雲郡に含まれていました。

天平五年(733年)に編纂された『出雲国風土記』出雲郡条には、神祇官に属する神社を列挙する中に、次の社名が記されています。

「阿我多社 伊波社 阿具社 都牟自社」

『出雲国風土記』出雲郡条・神社

この「伊波社」が、現在の上直江八幡宮境内に祀られる伊波神社に比定されるとされています。

ただし、『出雲国風土記』の記述は社名を挙げるのみで、鎮座地や御祭神についての詳しい説明はありません。また、伊波社にはほかの比定候補もあるため、上直江八幡宮境内の伊波神社は論社の一つとして紹介するのが適当です。

風土記の簡潔な一行からは、奈良時代の出雲郡に「伊波」と呼ばれる祭祀の場が存在したことがわかります。現在の伊波神社との関係は、後世に伝えられた旧鎮座地や遷座の由緒を通して受け継がれてきました。

御祭神と伊波神社の由緒

伊波神社の御祭神は、大国主命(おおくにぬしのみこと)と伝えられています。

大国主命は国土経営や農業、地域の暮らしと深い関わりを持つ神として知られ、出雲地方の多くの神社に祀られています。伊波神社でも、土地と地域を見守る神として信仰されてきたと考えられます。

由緒については島根県神社庁「八幡宮」掲載ページの情報をもとに紹介します。

それによると、伊波神社は、もとは現在地より西方にある岩野山の山上に鎮座していました。江戸時代中頃の寛延年間に、現在の上直江八幡宮境内へ遷されたと伝えられています。

また、伊波神社は旧伊波野村の村名発祥に関わる神社ともされています。風土記に残る「伊波社」の名と、伊波野という地域名とのつながりを伝える存在です。

伊波神社を境内に祀る上直江八幡宮の主祭神は、誉田別命(ほんだわけのみこと)です。伊波神社と上直江八幡宮では御祭神が異なるため、それぞれを分けて捉える必要があります。

上直江八幡宮は建久二年(1191年)、豊前国の宇佐八幡宮から御分霊を迎え、漆沼郷の惣社として創建されたと伝えられます。毛利氏や松平氏からも崇敬を受け、地域の農業・産業繁栄や厄除開運を願う神社として信仰されてきました。

伊波神社・拝殿・本殿・鳥居・随神門・境内社

伊波神社|『出雲国風土記』の伊波社比定社

上直江八幡宮境内に鎮座する伊波神社。木造の小社に注連縄が掛かり、左右には奉献された石灯籠が立ちます。
出雲国風土記出雲郡条の伊波社に比定される上直江八幡宮境内の伊波神社社殿

こちらが、上直江八幡宮境内に祀られる伊波神社です。大きな八幡宮の社殿とは別に、境内の一角に独立した小社として鎮座しています。

木造の社殿は石積みの基壇上に建ち、正面には注連縄と紙垂が掛けられています。屋根には千木が上がり、小さな社殿ながら整った神社建築を見ることができます。

社殿の左右には石灯籠が置かれています。現在も地域の人々によって大切に祀られていることが伝わる、落ち着いた境内社です。

上直江八幡宮の本殿|木立に囲まれた社殿

上直江八幡宮の本殿。木立の中に高床の社殿が建ち、屋根の千木が目を引きます。
伊波神社が境内社として祀られる上直江八幡宮の本殿と千木のある屋根

拝殿の奥には、上直江八幡宮の本殿が建っています。高床の木造社殿と大きく伸びた軒、屋根に設けられた千木が印象的です。

本殿の周囲には木々が茂り、社殿を包み込むような静かな空間が保たれています。伊波神社をはじめとする境内社も、この八幡宮を中心とする信仰空間の中で守られてきました。

鳥居と参道|上直江八幡宮の社頭

上直江八幡宮の石鳥居。右側の社号標から、境内奥の随神門へ参道が続きます。
伊波神社の鎮座地である上直江八幡宮の石鳥居と随神門へ続く参道

社頭には大きな石鳥居が立ち、その右側には「上直江八幡宮」と刻まれた社号標があります。

鳥居をくぐると平坦な参道がまっすぐ延び、木々に囲まれた随神門へと続きます。参道の左右は開けており、境内へ進むにつれて社叢の緑が濃くなります。

随神門|狛犬が守る重厚な門

上直江八幡宮の楼門。門前には大型の狛犬が向かい合い、中央の通路から拝殿を望めます。
出雲国風土記の伊波社比定地に建つ上直江八幡宮の楼門と一対の狛犬

参道の先には、二層の屋根を持つ重厚な楼門が建っています。門の両側には大きな狛犬が置かれ、中央の通路を通して拝殿を望むことができます。

島根県神社庁の掲載情報では、楼門には毛利家から寄進されたという古老の伝承があり、平成二十年(2008年)の遷宮時に整えられたと紹介されています。

鳥居から楼門、拝殿へとまっすぐ続く配置は、上直江八幡宮の境内で特に印象に残る景観です。

境内社・平野神社|地域の祭りを伝える社

上直江八幡宮境内の平野神社。石造りの社殿に注連縄が掛けられています。
伊波神社とともに上直江八幡宮境内に祀られる石造りの平野神社

境内の一角には、石造りの平野神社が祀られています。正面には注連縄が掛けられ、隣には賽銭箱が設けられています。

平野神社では、伊波野地域に伝わる「平野明神の祭り」が行われています。大きな八幡宮の社殿だけでなく、伊波神社や平野神社といった境内社にも、地域ごとの信仰が受け継がれています。

岩野山から現在地へ伝わる立地

上直江八幡宮は、JR山陰本線の直江駅から北東へ約600メートル、線路に近い斐川平野の平坦地に鎮座しています。周囲には住宅地や農地が広がり、地域の暮らしに近い場所にある神社です。

一方、伊波神社は、もともと現在地より西方にある岩野山の山上に鎮座していたと伝えられます。現在の平坦な境内と、旧鎮座地とされる山上では、立地の性格が大きく異なります。

山上から現在地へ遷された詳しい事情は確認できませんが、地域の惣社であった上直江八幡宮の境内に移ることで、伊波神社の祭祀も地域の人々によって守り継がれやすくなったものと考えられます。

現在の伊波神社を訪ねる際は、社殿だけでなく、西方の岩野山との位置関係にも目を向けると、伝承に残る旧鎮座地をイメージしやすくなります。

伊波神社のまとめ

伊波神社は、上直江八幡宮の境内に祀られ、『出雲国風土記』出雲郡条の「伊波社」に比定される神社の一つです。

もとは岩野山上に鎮座し、寛延年間に現在地へ遷されたと伝えられます。小さな木造社殿と奉献灯籠は、遷座後も地域の中で信仰が受け継がれてきたことを伝えています。

伊波神社の社殿とともに、上直江八幡宮の拝殿・本殿・鳥居・随神門・平野神社を巡ることで、風土記に残る古い社名と、現在の境内に重なる複数の信仰を知ることができます。

伊波神社・上直江八幡宮の基本情報・連絡先

神社名 伊波神社(いはじんじゃ)/上直江八幡宮境内社
風土記の社名 伊波社(出雲郡)
伊波神社の御祭神 大国主命
上直江八幡宮の主祭神 誉田別命
所在地 〒699-0624 島根県出雲市斐川町上直江2205
電話番号 0853-72-8422
公式サイト 単独公式サイトは確認できません。島根県神社庁「八幡宮」掲載ページをご確認ください。
御朱印 上直江八幡宮の御朱印あり。伊波神社単独の授与を含め、受付状況は事前に電話でご確認ください。
駐車場 あり。参道両側に駐車スペースがあります。利用時は現地表示に従ってください。
交通アクセス JR山陰本線・直江駅から徒歩約10分。

アクセス

伊波神社は、出雲市斐川町上直江の上直江八幡宮境内にあります。石鳥居と「上直江八幡宮」の社号標を目印に境内へ入り、随神門を通って参拝します。

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初掲載日:2026年8月24日
最終更新日:2026年8月24日

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