【出雲国風土記】佐支多神社(佐支多社)|建御名方命を祀る出雲郡の古社|出雲郡・出雲市斐川町

2026年8月26日水曜日

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【出雲国風土記】佐支多神社(佐支多社)|建御名方命を祀る出雲郡の古社|出雲郡・出雲市斐川町

島根県出雲市斐川町荘原に鎮座する佐支多神社(さきたじんじゃ)は、『出雲国風土記』出雲郡条に記された「佐支多社」に比定されるとされる古社です。

御祭神は建御名方命と八坂豆賣命。現地の由緒板では、建御名方神を主祭神として国譲り神話を紹介し、農耕や養蚕、五穀豊穣を祈る神として信仰されてきたことを伝えています。

この記事では、風土記に残る社名と御祭神の由緒を確認しながら、拝殿・本殿・鳥居・参道・随神門・御射山稲荷大神を現地写真とともに紹介します。

佐支多神社の拝殿と大しめ縄を掲げた正面入口
佐支多神社の拝殿。大きなしめ縄と木造社殿が、地域で守られてきた古社の落ち着きを伝えます。
目次を開く
  1. 佐支多神社の概要と『出雲国風土記』の記載
  2. 御祭神と国譲り神話の由緒
  3. 拝殿・本殿・鳥居・参道・境内社
  4. 荘原に鎮座する佐支多神社の立地
  5. 佐支多神社のまとめ
  6. 基本情報・連絡先
  7. アクセス・Googleマップ

佐支多神社の概要と『出雲国風土記』の記載

佐支多神社は、出雲市斐川町荘原に鎮座しています。現在の斐川町一帯は、古代の行政区分では『出雲国風土記』の出雲郡に含まれていました。

天平五年(七三三)に編纂された『出雲国風土記』の出雲郡条には、当地の神社として次の社名が記されています。

「佐支多社」

――『出雲国風土記』出雲郡条

この「佐支多社」が、現在の佐支多神社に比定されるとされています。古代の社名を現在まで伝える、出雲郡の風土記掲載神社の一社です。

島根県神社庁の神社情報によると、佐支多神社は上庄原・下庄原の総氏神であったとされます。また、「佐支多」の名は「瀬崎田」が変化したものとも伝えられていますが、地名の由来については伝承の一つとして捉えるのが穏当でしょう。

御祭神と国譲り神話の由緒

建御名方命と八坂豆賣命

島根県神社庁では、佐支多神社の御祭神を建御名方命(たけみなかたのみこと)八坂豆賣命(やさかとめのみこと)の二柱としています。

現地の由緒板では建御名方神を主祭神として掲げ、狩猟・農耕・養蚕などを守り、五穀豊穣を祈る神として崇敬されていることを伝えています。

国譲り神話と建御名方神

現地案内板は『古事記』に記された国譲り神話を紹介しています。大国主神と事代主神が国譲りに同意した後、建御名方神が交渉相手として残ったとされます。

剛力を誇る建御名方神は、千人がかりで引くほどの巨石を意味する「千引石」を持って現れ、建御雷之男神に力比べを挑みました。しかし力及ばず、信濃国の諏訪まで追われ、そこで国譲りを承諾したと伝えられています。

その後、建御名方神は諏訪に鎮座し、害獣や毒蛇から人々を守る神、農耕や養蚕を守護する神として信仰されました。佐支多神社でも、地域の暮らしと実りを支える五穀豊穣の神として大切に祀られています。

拝殿・本殿・鳥居・参道・境内社

千木と勝男木を備えた本殿

拝殿の奥には、石垣で一段高く整えられた本殿が建っています。大きく反った屋根の上には千木と勝男木が並び、木造社殿の力強い姿を間近に見ることができます。

佐支多神社の本殿と屋根上の千木・勝男木
佐支多神社の本殿。反りのある屋根と千木・勝男木が青空の下に際立ちます。

社号額を掲げた石鳥居

境内入口には、「佐支多神社」と刻まれた社号額を掲げる石鳥居が立っています。鳥居の正面からは随神門と拝殿まで見通すことができ、境内の中心軸がよくわかります。

佐支多神社の石鳥居と社号標、奥に見える随神門
佐支多神社の石鳥居。右側には社名を刻んだ社号標が立っています。

木々の間を進む長い参道

道路側から境内へ向かう参道は平坦で、左右の樹木の間をまっすぐに延びています。参道の先に随神門と拝殿が重なって見え、社殿へ近づくにつれて周囲の緑が濃くなります。

佐支多神社の木々に囲まれた平坦な参道と正面の社殿
木々の間を延びる佐支多神社の参道。正面に随神門と拝殿が見えます。

拝殿前を守る随神門

石鳥居の先には、瓦屋根を載せた木造の随神門があります。中央に掛けられた幕をくぐると、灯籠が並ぶ拝殿前の広場へ入ります。

佐支多神社の瓦屋根を備えた木造随神門と拝殿前の境内
佐支多神社の随神門。門の向こうに拝殿正面と石灯籠が見えます。

境内社・御射山稲荷大神

境内の木立には、御射山稲荷大神を祀る小社があります。社前には朱色の小鳥居が置かれ、その左右を狐像が守っています。背後の竹林と社叢に包まれた、静かな境内社です。

佐支多神社境内の御射山稲荷大神と朱色の小鳥居、狐像
木立の中に鎮座する御射山稲荷大神。朱色の小鳥居と一対の狐像が置かれています。

荘原に鎮座する佐支多神社の立地

佐支多神社が鎮座する斐川町荘原は、斐川平野の田園と集落が広がる地域です。境内は平坦ですが、社殿の背後にはまとまった社叢が残り、周辺から見ても神社の位置を確かめやすい景観となっています。

長い参道と社殿背後の木立は、集落の中で神域が守られてきたことを感じさせます。農耕や五穀豊穣の神として信仰される建御名方命がこの場所に祀られていることも、地域の暮らしとの結び付きを思わせます。

ただし、風土記編纂時の景観や鎮座地を現在の地形だけから断定することはできません。現地では、古代の社名を継ぐ神社が今も荘原の地域を見守っている姿を確かめることができます。

佐支多神社のまとめ

佐支多神社は、『出雲国風土記』出雲郡条に記された「佐支多社」に比定されるとされる古社です。

建御名方命と八坂豆賣命を祀り、かつては上庄原・下庄原の総氏神として、農耕や五穀豊穣を願う地域の信仰を集めてきました。

千木と勝男木を備えた本殿、大しめ縄を掲げる拝殿、随神門、長い参道、御射山稲荷大神など、境内には古社としての由緒と現在まで続く地域の信仰が静かに残されています。

佐支多神社の基本情報・連絡先

神社名 佐支多神社(さきたじんじゃ)
風土記の社名 佐支多社
所在地 島根県出雲市斐川町荘原587
御祭神 建御名方命・八坂豆賣命
御神徳 狩猟・農耕・五穀豊穣など
例祭日 10月18日
電話番号 0853-72-1693
公式情報 島根県神社庁「佐支多神社」
御朱印 授与状況は現地または公式情報をご確認ください。
駐車場 現地案内をご確認ください。

アクセス・Googleマップ

佐支多神社は、出雲市斐川町荘原の集落内に鎮座しています。周辺には生活道路があるため、車で訪れる際は歩行者や地域の方の通行に配慮し、駐車場所については現地の案内を確認してください。

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執筆・撮影:ぐうたら亭主
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初掲載日:2026年8月25日
最終更新日:2026年8月25日

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