仁多郡 郷里驛家

2021年2月16日火曜日

安来市 雲南市 奥出雲町 出雲国風土記 出雲神話 仁多郡

t f B! P L

仁多郡 郷里驛家

綿打公園からかんな流し跡の棚田
出雲国風土記 仁多郡 郷里驛家
仁多郡(にたのこほり)

合はせて(さと)(こざと)一十二。

 三處(みところ)(のさと) 今も(さき)に依りて用ゐる。

 布勢(ふせ) (もと)の字は布世(ふせ)

 三澤(みざは) 今も前に依りて用ゐる。

 (よこ)() 今も前に依りて用ゐる。

 以上四、郷別(さとごと)(こざと)

仁多(にた)(なづ)くる所以(ゆゑ)所造天下大神大穴持命(あめしたつくらししおほかみおほなもちのみこと)()りたまひしく、きくもず、(ちさ)くも非ず、川上は、()()し加布(交ふ)。川下は、(かは)志婆布(しばふ)()(わた)れり是は()()()()()(くに)なり」と詔りたまひき(かれ)、仁多と云ふ

三處(みところ)(のさと)。卽郡家(ぐうけ)()けり大穴持命(おほなもちのみこと)()りたまひしく、「(ところ)()し。(かれ)()御地(みところ)の田」と詔りたまひき(かれ)三處と云ふ

布勢郷(ふせのさと)。郡家正西(まにし)一十里なり。古老へにへらく。大神命宿(ふせ)()ししなり(かれ)布世と云ふ。神龜三年に、布勢と改む

三澤郷(みざはのさと)郡家(ぐうけ)西南二十五里なり大神大穴持命(おほかみおほなもちのみこと)御子(みこ)阿遲須伎高日子命(あぢすきたかひこのみこと)御須髮八握(みひげやつか)()ふるまで、晝夜(ひるよる)()()して、(みこと)(かよ)はざりき()御祖命(みおやのみこと)御子を船にせて、八十嶋(やそじま)率巡(ゐめぐ)りて宇良加志(うらかし)(うら)かし)給へども、()き止みたまはざりき。大神(いめ)()ぎたまひしく、「御子()(よし)()りたまへ」と()()しき。その、御子の(みこと)(かよ)ふと夢見()しかば、()めて()ふに、()、「御澤(みざは)」としたまひき()、「何處(いづく)をか(しか)ふ」とへば(やが)御祖(みおや)り出で()して、石川(いしかは)(わた)り、坂上(さかがみ)り留まりて、「是處(ここ)ぞ」と申したまひき()(さは)()(ぬま)()だして、御身(みみ)沐浴(そそ)ぎ坐しき(かれ)國造(くにのみやつこ)(かむ)吉事(よごと)(まを)しに朝廷(みかど)(まゐ)()かふ()()(ぬま)()だして()むるなり(ここ)に依りて、(はらめるをみな)、彼の村の稻を(くら)はず。若へば、()まるる(すで)にもの()はず(かれ)三澤(みざは)と云ふ。正倉あり

(よこ)()(のさと)郡家(ぐうけ)東南二十一里なり。古老へにへらく、郷の四段(よきだ)(ばかり)あり。形(いささ)し。に依りて、(かれ)橫田と云ふ。卽正倉あり。以上(もろもろ)の郷よりす所の(まがね)して(もっと)雜具(くさぐさのもの)るに()

QooQ